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2026.04.23更新

再婚したら養育費はどうなる?

「再婚したら養育費はどうなるの?」

と聞かれることがあります。

再婚後に養育費が変更される場合はありますが、個々の事情によりケースバイケースです。

今回は、再婚後の養育費についてパターン別に解説します。

養育費の基礎知識は、以下の記事をご覧ください。

参考記事;養育費とは?含まれるものや決め方

 

養育費は再婚により事情が変われば変更できる

いったん決めた養育費であっても、再婚により「事情の変更」があったと認められる場合には増減できます。

ポイントは、扶養義務を課される家族の変化です。たとえば、養育費を支払っている側の扶養家族が増えれば、減額される可能性があります。

もっとも、事情が変わっても、養育費の額は自動的には変わりません。まずは話し合いをして、決まらない場合には、調停や審判といった裁判所での手続きを経る必要があります。

 

養育費を支払っている側が再婚した場合

まず、養育費を支払っている側(多くのケースで父)が再婚した場合を見ていきます。再婚により扶養家族が増えれば、養育費が減額される可能性があります。

減額され得るケースは以下の通りです。

・再婚相手に収入がない(再婚相手への扶養義務発生)

・再婚相手の連れ子と養子縁組をした(連れ子への扶養義務発生)

・再婚相手との間で子が産まれた(産まれた子への扶養義務発生)

ただし、必ず減額されるとは限りません。支払い義務者の収入等に鑑みて、変更が認められないケースもあります。

 

養育費を受け取っている側が再婚した場合

反対に、養育費を受け取っている側(多くのケースで母)が再婚したケースでは、状況が異なります。ポイントは、再婚相手と子が養子縁組をしているか否かです。

再婚相手が子と養子縁組をしている場合、子を扶養する一次的な義務は再婚相手、すなわち「新しい父(母)」が負います。養育費を支払ってきた実の父(母)は、二次的な扶養義務者となり、再婚相手の収入等を勘案して、養育費はゼロまたは減額になる可能性があります。

再婚相手が子と養子縁組をしていないときは、扶養義務は発生せず、基本的に元の状態と変わりません。したがって、養育費は変更されないのが原則です。ただし、再婚相手から多くの経済的援助を受けている場合には、減額の可能性はあります。

 

以上が、再婚した際の養育費についての基礎知識です。状況によって異なりますし、変更後の養育費を算出するには複雑な計算を要します。弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。再婚による養育費の変更について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.04.09更新

事故車の評価損(格落ち)

事故車の評価損(格落ち)

 

交通事故で車を修理すると、「評価損(格落ち)」が損害として認められる場合があります。

今回は評価損について解説します。

 

評価損(格落ち)とは?

評価損(格落ち)とは、修理によって車両の価値が下落する損害です。交通事故により壊れた部分を修理した際に、車両の価値が下がったことを理由に損害賠償が認められるケースがあります。

評価損には、以下の2種類があります。

・技術上の評価損:修理しても外観や機能に何らかの欠陥が生じること

・取引上の評価損:事故歴によりマイナスイメージを持たれ市場価値が下がること

実際に事故車両を売却していなくとも、車両の価値が低下した場合には評価損を請求できる可能性があります。

 

評価損が認定されるケース

現実には、評価損が認定されるケースは限られています。認定されやすくなる事情としては、以下が挙げられます。

 

判断要素

認定されやすくなる事情

車種

外国車、国産高級車、人気車種

登録年数

初度登録からの期間が短い(3~5年程度以内)

走行距離

少ない(4~6万km程度以内)

損傷箇所

骨格部分の損傷(フレーム・バンパーなど)

修理内容

大規模・広範囲

 

これらの事情を総合的に考慮して判断されるため、評価損が認められるかはケースバイケースです。

判例に基づくひとつの目安として、次の基準が挙げられます。

・外国車や国産人気車種:初度登録から5年程度以内・走行距離6万km程度まで

・国産車:初度登録から3年程度以内・走行距離4万km程度まで

 

ただし、実際に評価損を受け取るハードルは高いといえます。特に交渉段階では、保険会社が認めてくれないケースが多いです。訴訟をしても、裁判所が認めてくれるとは限りません。

なお、評価損が発生するのは、修理して使える状態であることが前提です。全損で買い替えが必要になる場合には、評価損は請求できません。

 

 

評価損の金額

評価損の金額の算定方法は、様々あります。

実務上多く用いられるのが、修理費の一定割合を評価損とする方法です。修理費の何パーセントとするかはケースバイケースです。おおむね10%~50%までと幅は大きいですが、30%程度になる場合が多いといえます。

ただし、明確な基準はありません。金額の見通しをつけるのは難しいといえます。

 

以上が評価損についての基礎知識です。保険会社が認めない場合が多く、明確な基準もないため、自力で請求するのは困難です。弁護士への相談をオススメします。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。事故に遭われた方は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

投稿者: 松村法律事務所

2026.03.27更新

離婚後の養育費の調停は?

養育費調停の流れ

 

養育費を話し合いで決められない場合、調停の利用が考えられます。今回は、養育費調停の流れを解説します。

養育費についての基礎知識は、以下の記事をご覧ください。

参考記事:養育費とは?含まれるものや決め方

 

養育費調停とは?

養育費の金額や支払いについては、まずは話し合いで決めます。話し合いがまとまらないときには、裁判所に調停を申し立てるのが一般的です。

離婚前の場合には、離婚調停の中で養育費についても話し合えます。離婚時に養育費の取り決めをせず、後から請求する際には、養育費調停を申立てます。

参考記事:離婚調停の流れ~申立てから離婚成立まで

調停は、調停委員を間に挟んだ話し合いです。直接顔を合わせずにすむので、冷静に話を進められます。合意した際には、内容が「調停調書」に記載され、法的効力を生じさせることができます。

もっとも、当事者だけの話し合いとは異なり、書類を提出する、平日の昼間に裁判所に出向くといった負担が大きいです。また、1ヶ月に1回程度のペースで行われるため、解決までに時間を要します。

 

養育費調停の流れ

養育費調停は、大まかに以下の流れで進みます。

・申立て

・第1回期日の決定、通知

・第1回期日

・(1回で決まらない場合)第2回以降の期日

・調停成立or不成立(審判移行)

申立ての際には、申立書のほか、子の戸籍謄本、収入に関する資料などを提出します。費用としては、子1人につき1200円分の収入印紙と、連絡用の郵便切手代が必要です。(参考:養育費請求調停|裁判所)。

期日当日は、30分程度ごとに交互に調停室に呼ばれ、調停委員と話をします。主張は調停委員を介して相手に伝えられるため、直接顔を合わせる必要はありません。

金額や支払い時期・方法などを合意できたら、調停成立です。合意内容は「調停調書」に記載され、判決と同様の法的効力を有します。

合意できないときは、2回目の期日が設定されます。期日を重ねても合意の見込みがないときは、調停不成立となります。その場合は自動的に審判手続きに移行し、最終的には裁判官が決定するという流れです。

 

養育費の増額・減額も調停で可能

以上は養育費を決めていなかったときの話ですが、一度決めた養育費を変更することも可能です。変更を求める際には「養育費増額調停」または「養育費減額調停」を申立てます。

変更できるのは、事情の変更が認められるケースです。収入の増減、子の生活費・学費の上昇などが認められれば、変更できる可能性があります。

 

以上が養育費調停に関する基礎知識です。調停は弁護士なしでもできますが、手続きの負担を減らしつつ妥当な結果を得るには、弁護士への相談をオススメします。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費調停を申立てたい(申立てられた)方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.03.11更新

交通事故での車の修理代

交通事故での車の修理代

 

交通事故ではケガ・死亡による損害(人損)が大きいものの、物損も争いになる場合があります。特に車の修理費用は多くのケースで発生するため、問題になりやすいです。

今回は、交通事故での車の修理代について解説します。

 

修理代は賠償の対象

交通事故により車の修理が必要になった場合、多くのケースで相手方に修理代を請求できます。

修理費の金額は、修理工場で見積もりを出し、アジャスターが調査・確認し、それをもとに決定されるのが通常です。

なお、事故以前から存在したキズの修理や、必要のない部品交換などは、交通事故による損害とはいえず、相手方に請求できません。

 

修理代全額を受け取れるとは限らない

修理代は全額受け取れるとは限りません。

全額受け取れない場合として挙げられるのは、自身に過失があるケースです。自身の過失分については、相手方に請求できません。たとえば、修理代が50万円で過失割合が「8:2(相手8割、自身2割)」の場合には、50×0.8=40万円しか請求できません。

参考記事:過失割合とは?交通事故において持つ意味

また、相手方が任意保険に加入していない場合には、支払いを受けられない恐れがあります。法律上は請求権があるものの、相手がお金を持っておらず支払い能力がなければ、事実上踏み倒されてしまいかねません。なお、自賠責保険では物損は対象外です。

相手方から受け取れない場合でも、自身が車両保険に加入していれば補償を受けられます。ただし、車両保険を利用すると保険料が上がってしまいますので、損にならないかを確認しておくようにしましょう。

 

全損の場合には買替差額が補償される

全損の場合には、修理費ではなく買替差額が補償されます。

全損には「物理的全損」と「経済的全損」があります。

物理的全損とは、物理的に修理が不可能な場合です。経済的全損とは、修理は可能であるものの、修理費が車両時価と買替えに要する諸費用との合計を上回っていて、経済的に考えて修理するのが不相当な場合です。

物理的全損あるいは経済的全損の場合には、事故時の車両の時価相当額と売却代金との差額が、損害として認められます。時価は、レッドブックなどをもとに算定されます。購入時の価格ではなく、時間の経過に応じて価値が下落している点には注意してください。

加えて、実際の買替えに要した費用のうち、自動車税環境性能割、登録・車庫証明・廃車・納車等にかかる手数料、手続き代行手数料、リサイクル料金などが損害として認められます。

 

以上が交通事故の修理費に関する基礎知識です。細かい部分が争いになる場合もありますので、わからないことは弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。事故に遭われた方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.02.23更新

養育費の相場

養育費の金額は、離婚に際して争いになりやすいです。「相場はいくら?」と聞かれることもあります。

今回は、養育費の相場について解説します。

 

◆ 統計による養育費の相場

厚生労働省が公表した報告によると、養育費が決まっている世帯の平均額は、母子世帯(母が受け取っている)で月50,485円、父子世帯(父が受け取っている)で月26,992円となっています(令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告p.60|厚生労働省

また、最高裁判所の統計によると、調停により決まった夫から妻への養育費の分布は、以下の通りです(令和6年司法統計年報 3家事編p.44|最高裁判所)。

1万円以下

2万円以下

4万円以下

6万円以下

8万円以下

10万円以下

10万円超

305

959

4,098

3,580

1,992

1,175

1,693

統計上は、おおむね月2~6万円程度になっているケースが多いといえます。

 

◆ 養育費の相場は算定表で確認できる

もっとも、実際に妥当といえる養育費の金額はケースによって異なります。

そもそも養育費は、未成熟の子どもの生活・教育のために必要な費用です。父母の年収や子どもの人数・年齢によって大きく左右されます。

実務上は、裁判所が公表している算定表が参考にされる場合が多いです。

算定表は、子の人数や年齢に応じて分かれています。ご自身に合った表を探し、父母の年収が交わった部分を見るようにしましょう。

例として、以下のケースで考えます。

・夫:年収400万円(給与所得)

・妻:年収200万円(給与所得)

・子:2人(5歳と2歳)

・離婚後の監護者は妻

このケースでは、子2人でともに0~14歳であるため、表3を使用します。離婚後の監護者は妻であるため、養育費を支払う夫が「義務者」、受け取る妻が「権利者」です。

表3で「義務者の給与400万円」と「権利者の給与200万円」が交わる部分を見ると「4~6万円」となっており、これが月額の養育費の目安になります。

年収額は、給与所得者(会社員・アルバイト・パートなど)は源泉徴収票や課税証明書、自営業者は確定申告書で確認します。

 

◆ 相場と異なる養育費になるケース

算定表はあくまで目安であり、双方の合意により、異なる金額としても構いません。

また、算定表は、一般的に子の養育に要する費用をもとにしたものです。子が私立学校に通っている(予定がある)、子の病気により医療費が高額になるといったケースでは、調整が必要になります。

算定表だけに縛られないようにしてください。

 

以上が養育費の相場の基本的な説明になります。ケースによって異なりますので、ぜひ弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所

2026.02.09更新

物損事故から人身事故に切り替える方法

交通事故に遭った方から、「物損事故(物件事故)から人身事故に切り替えた方がよいか」と聞かれることがあります。

早い段階であれば、物損から人身への変更は可能です。場合によっては切り替えを検討するとよいでしょう。

今回は、物損事故から人身事故への切り替えについてご説明します。

 

 

◆ 物損事故から人身事故への切り替えが問題になる場面

物損事故(交通事故証明書の記載では「物件事故」)とは、人が死傷せずに、車両等の物だけに損害が生じている事故です。人が死傷している「人身事故」とは別に扱われます。

交通事故では、事故直後には症状を感じておらず物損扱いにしていても、次第に症状が現れてくるケースが少なくありません。症状が出てから、人身事故扱いとすべきか悩む方がいます。

また、本来は人身事故であるのに、違反点数の加算や刑事責任の追及を避けたい相手方から「物損扱いにして欲しい」とお願いされ、応じる方もいるでしょう。

このように物損事故となっている場合に、人身事故に切り替えるべきなのでしょうか?

 

 

◆ 物損事故から人身事故に切り替えるべきケース

物損事故(物件事故)か人身事故かは、あくまで警察における分類です。実際にケガが生じているのであれば、損害賠償を求めることはできます。

既に相手方保険会社から治療費が支払われているときは、物損事故扱いのままでも、問題なく賠償を受けられる場合が多いです。もっとも、以下のケースでは、人身事故への切り替えを積極的に検討しましょう。

 

・過失割合が争いになっている・なりそう

過失割合が争いになっているときは、警察が作成する「実況見分調書」が有力な証拠になります。物損扱いだと、実況見分調書が作成されません。客観的な証拠を得るには、人身事故に切り替えて実況見分を行い、調書を作成してもらうのがよいでしょう。

参考記事:過失割合とは?交通事故において持つ意味

 

・後遺障害認定の可能性がある

物損扱いのままだと、軽い事故だと判断されてしまい、場合によっては後遺障害認定に不利に働くおそれがあります。

参考記事:後遺障害とは?後遺症との違いは?

 

 

◆ 物損事故から人身事故に切り替える方法

物損事故から人身事故に切り替えたいときは、まずは病院で診断書を取得してください。事故によるケガであると証明するためです。

診断書を取得したら、警察に出向いて切り替え手続きをします。他にも、運転免許証、車検証などの必要書類があるため、事前に管轄の警察署に確認し、訪問日時も決めておくとスムーズです。

切り替えの期限は明確には決まっていませんが、事故から1週間~10日程度までに行うのが望ましいです。遅れると事故とケガとの因果関係を疑われ、受け付けてもらえない可能性があります。早めの行動を心がけてください。

切り替えが完了したら、相手方の保険会社に連絡をしておきましょう。

 

 

以上が物損事故から人身事故への切り替えの概要です。切り替えるべきか迷っている方や、手続きに不安がある方は、お早めに弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。物損事故から人身事故への切り替えについてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.01.21更新

養育費とは?含まれるものや決め方

子どもがいる夫婦が離婚する際には、養育費が大きな争点のひとつになります。今回は、養育費について基本的なことをご説明します。

 

◆ 養育費とは?

養育費とは、未成熟の子どもの生活・教育のために必要な費用です。離婚時に親権を手放した側(子を監護していない側)の親が、親権を有している側(監護している側)の親に支払います。

社会に出ていない子どもは、自立して生活はできません。親は、離婚して子どもと一緒に生活していなくとも、子を扶養する義務を負っています(民法877条1項)。養育費は、子どもの生活を支えるためのお金です。

なお、離婚前に別居している際には、「婚姻費用」として生活費の授受が発生します。婚姻費用は配偶者と子の生活費を合わせたものであり、養育費も含まれます。離婚後は元配偶者の生活費を支払う必要はないため、婚姻費用は問題となりません。養育費だけが問題になります。

婚姻費用について詳しくは、以下をご覧ください。

参考記事:婚姻費用とは?含まれるものや養育費との違い

 

◆ 養育費に含まれるもの

養育費は、子の生活にかかる費用です。主に以下のものが含まれます。

・食費

・住居費(家賃・水道光熱費)

・衣服代

・教育費(授業料など)

・医療費

・おこづかい

金額を決める際には、裁判所が示す「養育費算定表」を参考にする場合が多いです。

養育費算定表の金額には、以下は含まれていません。

・私立学校の学費

・大学の学費

・習い事や塾の費用

・海外留学費用

・突発的な病気やケガによる医療費

こうした費用を合意により養育費に含めることは可能ですが、内容や金額が争いになりやすいです。

 

◆ 養育費の決め方

養育費は、まずは親同士の話し合いで決まります。

以下の点を決めておくようにしましょう。

・金額(通常は月単位)

・支払い期間(例:「〇年〇月まで」)

・支払い時期(例:「毎月末日」)

・支払い方法(振込先口座)

養育費は、離婚時に決めておくべきです。支払いに関するトラブルが多いため、公正証書にして、未払いの際に強制執行できるようにするのもよいでしょう。

参考記事:離婚協議の内容を公正証書にするメリット

話し合いで決まらないときは、裁判所での調停等の手続きを利用して決定します。いったん決定した後で事情が変わった場合には、変更も可能です。

 

以上が養育費に関する基礎知識になります。今後、より詳しい内容もご紹介する予定です。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.01.10更新

物損事故とは?人身事故との違い

物損事故とは、人がケガをせず、物だけに損害が生じる交通事故です。人身事故とは法的な扱いが異なります。

今回は物損事故の意味や人身事故との違いを解説します。

 

◆ 物損事故とは?

物損事故とは、死傷者がいない交通事故です。物だけに損害が生じている事故になります。

たとえば、自動車、建物、ガードレールなどが破損したものの、人的被害はなかったケースです。たとえ家族同然であったとしても、ペットは法的には物として扱われます。

人が死傷した事故は、人身事故と呼ばれます。人と物の両方に損害があった場合には、物損事故ではなく人身事故です。

物損事故は比較的軽微な場合もありますが、警察には必ず報告しなければなりません。警察においては、物損事故は「物件事故」という名称になります。当事者がケガをしていても、警察では物件事故として処理されるケースもあります。

 

◆ 物損事故で認められる損害

物損事故で生じ得る代表的な損害は以下の通りです。

  • 修理費(相当額)
  • 買い替え費用(登録に要する費用など)
  • 評価損(修理しても欠陥が残る、市場価値下落が見込まれる場合)
  • 代車使用料(修理・買い替えまでに代車を利用した場合)
  • 休車損(営業用車両の場合)
  • レッカー代、保管料

物損では、基本的に慰謝料(精神的な苦痛に対する賠償金)は支払われません。

 

◆ 物損事故と人身事故の違い

物損事故と人身事故の違いはいくつかあります。ここでは、刑事責任、行政処分(違反点数加算)、自賠責適用の有無について説明します。

まず、物損事故では、基本的に刑事罰には問われません。人身事故では「過失運転致死傷罪」などの犯罪に該当するとして、刑事裁判を通じて刑罰が科されるケースがあります。

次に、物損事故では通常は違反点数が加算されません。当て逃げなどの例外的な場合を除き、免許への影響はないということです。

損害賠償に関しては、物損事故では自賠責保険が適用されません。自賠責保険は人的損害のみを対象としています。相手方が任意保険に加入していない場合には、相手方本人への請求、あるいは自身の車両保険等を利用して補償を受ける必要があります。

 

以上が物損事故の意味や、人身事故との違いに関する基礎知識です。

物損事故では、人身事故と比べて補償が手薄になりやすいといえます。気になる点がある方は、弁護士にご相談ください。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2025.12.11更新

婚姻費用の強制執行|支払われないときにとれる手段

婚姻費用につき、調停や審判で金額が決まったにもかかわらず、支払われない場合があります。支払いが実行されないときには、強制執行等の手段をとれます。

今回は、婚姻費用が支払われないときにとれる手段につきご説明します。婚姻費用に関する基礎知識は、以下の記事をお読みください。

参考記事;婚姻費用とは?含まれるものや養育費との違い

 

◆ 履行勧告

まずは、履行勧告が考えられます。婚姻費用を支払う旨の調停や審判が出たのに守られないときは、支払いを受ける側が、家庭裁判所に対して、相手に支払いを勧告するように申し出ができます。

申し出は、書面だけでなく、口頭や電話でも可能です。手続きに費用はかからず、手軽にできます。

しかし、あくまで支払いをするよう勧告するだけで、強制力はありません。また、調停や審判を経ている場合にのみとれる方法であり、当事者の合意により決められた婚姻費用については対象外です。

 

◆ 履行命令

家庭裁判所に対して履行命令を申立てることも可能です。調停や審判を守らない相手に対して、支払いを命じてもらえます。

履行勧告と比べてしっかりとした手続きがとられ、正当な理由なく命令にしたがわないときは「10万円以下の過料」というペナルティもあります。履行勧告と同様に、調停や審判を経ているのが前提です。

 

◆ 強制執行

より強力な手段が強制執行です。強制執行には「直接強制」と「間接強制」があります。

 

直接強制とは、相手の財産を差し押さえて、差し押さえた財産から支払いを受ける方法です。

不動産や動産(自動車など)の差押えも可能ですが、婚姻費用の場合には給与や預貯金を差し押さえる場合が多いです。婚姻費用に関しては、差押えできる範囲が給与の1/2まで拡大されているうえに、将来分についての差押えも認められています。

 

間接強制とは、「期間内に婚姻費用を支払わない場合には、別に金銭支払いを課す」として、心理的に支払いを促す方法です。

ただし、間接強制をしても支払いがないときは、別途、直接強制の手続きが必要になります。また、相手に支払い能力がない場合などには認められません。

強制執行は、調停や審判がある場合だけでなく、当事者の合意が公正証書になっているときにも利用できます。もっとも、手続きが面倒で費用が高額な点がデメリットです。

 

以上が、婚姻費用が支払われないときにとれる手段に関する基礎知識になります。特に強制執行はご自身で進めるのが難しいため、弁護士への相談がオススメです。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。婚姻費用についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2025.11.24更新

過失相殺と損益相殺の順序

過失相殺と損益相殺がともに必要なときは、どちらを先に行うかで支払額が変わります。細かい点に思えますが、意外と重要なポイントです。

今回は、過失相殺と損益相殺の順序についてご説明します。

参考記事:過失割合とは?交通事故において持つ意味

 

 

◆ 過失相殺と損益相殺の順番によって支払額が変わる

過失相殺とは、事故について被害者にも落ち度があるときに、受け取れる賠償金を減額することです。対して損益相殺とは、交通事故を理由として金銭的利益を得たときに、相手方に請求できる損害賠償金から差し引くことです。

過失相殺と損益相殺の両方が発生するケースはよくあります。

たとえば、被害者の過失が認められる事故において、被害者の治療費が保険会社から病院に直接支払われている(一括対応)ケースです。

両方が発生するときは、どちらを先にするかで最終的な支払い金額が変わります。

たとえば、以下のケースで考えましょう。

・損害総額:1000万円

・過失割合:9:1

・損益相殺額:200万円

このとき、過失相殺を先に行えば、被害者が相手方に請求できる金額は、

1000万円×0.9-200万円=700万円

です。

同じケースで、損益相殺を先に行うと、

(1000万円-200万円)×0.9=720万円

となります。

順序が異なるだけで、支払額に大きな差が生じます。一般的に、損益相殺を先に行った方が被害者に有利です。

 

◆ 過失相殺を先に行うもの

一般的に、損害の補てんとしてなされる給付・支払いの場合には、過失相殺が先に行われます。具体例は以下の通りです。

・加害者からの弁済

・自賠責保険や加害者側任意保険からの支払い

・労災保険からの給付(最高裁平成元年4月11日判決)

 

◆ 損益相殺を先に行うもの

損益相殺が先に行われるとされるのは、社会保障としてなされる給付です。健康保険からの給付が該当します。

したがって、被害者に過失があるケースでは、被害者は健康保険を利用した方が金銭面で有利になります。

参考記事:交通事故で使える保険

 

◆ 判断がわかれているもの

裁判例によって判断がわかれているものもあります。すなわち、国民年金や厚生年金からの給付では、過失相殺を先に行う裁判例と、損益相殺を先に行う裁判例が存在します。

被害者の立場であれば、損益相殺を先に行うよう主張すべきです。

 

 

以上が、過失相殺と損益相殺の順序になります。細かい話ですので、ご存じない方が多いかと思いますが、実際の支払額を左右するポイントです。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。過失相殺や損益相殺について疑問やお悩みがある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所