交通事故の死亡慰謝料の相場

交通事故で亡くなった本人やご遺族の苦しみ・悲しみは、計り知れないものかと思います。その精神的苦痛への賠償金として、ご遺族は死亡慰謝料を相手方に請求できます。

もちろん、すべてをお金で解決できるわけではありません。とはいえ、気持ちの整理をつけるためには、適正な慰謝料を受け取ることも重要になります。

今回は交通事故の死亡慰謝料について解説します。

 

 

◆ 交通事故における死亡慰謝料とは?

一般的に慰謝料とは、精神的苦痛に対する賠償金です。

死亡事故においては、2種類の死亡慰謝料があります。

 

 ・被害者本人の死亡慰謝料

 ・遺族固有の死亡慰謝料

 

「被害者本人の死亡慰謝料」は、思いもよらぬ形で亡くなった方が受けた精神的苦痛を賠償するものです。たとえ即死であったとしても発生します。

「遺族固有の死亡慰謝料」は、近親者を亡くしたご遺族の精神的苦痛に対する賠償金です。請求できるのは、民法上は父母・配偶者・子のみとなっています。もっとも、これらの親族と同等の関係があり、甚大な精神的苦痛を受けた人についても、遺族固有の死亡慰謝料が認められるケースがあります。たとえば、被害者と同居していた兄弟姉妹などです。

いずれの死亡慰謝料についても、ご遺族が相手方に請求できます。

 

◆ 交通事故の死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料の相場は、誰が算出するかによって異なります。

自賠責保険の支払い基準においては、以下の通り定められています。

 

 ・被害者本人の慰謝料  400万円

 ・遺族固有の慰謝料
   請求者1人   550万円
   請求者2人   650万円
   請求者3人以上 750万円
   被扶養者がいる (上記に加え)200万円

 

被害者本人の慰謝料は一律400万円です。遺族固有の慰謝料は請求権者(父母・配偶者・子)の人数によって変わります。たとえば、家族を養っている夫が妻と子1人を残して亡くなった場合には「400万円(本人)+650万円(請求権者2人)+200万円(被扶養者あり)」で計1250万円です。

任意保険会社が提示してくる金額は、自賠責保険基準と同等か多少の上乗せをした程度に過ぎないケースが多いです。

 

弁護士は、過去の裁判例をもとに請求します。被害者の立場によって変わり、目安は以下の通りです。

 

 ・一家の支柱 2800万円

 ・母親、配偶者 2500万円

 ・その他(独身の男女、子どもなど) 2000~2500万円

 

上記は、本人と遺族固有の慰謝料を合わせた金額です。いずれの場合でも、自賠責保険基準に比べて大幅に高いとおわかりいただけるでしょう。あくまで目安ですので、個々の事情によって増額されるケースもあります。

 

 

以上が死亡慰謝料に関する基本的な知識です。死亡事故においては、死亡慰謝料の他にも、死亡逸失利益や葬儀費用なども請求できます。

賠償総額は高額になりますが、相手方が不当に低い金額を示してくるケースは非常に多いです。また、相手の不誠実な対応によって感情を害されている方もいらっしゃるでしょう。弁護士にご依頼いただければ、増額が期待できるとともに、相手とのやり取りによるストレスも軽減できます。

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