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2024.08.09更新

休業損害の計算方法

休業損害の計算方法は、基本的には「1日あたりの収入×休業日数」です。ただし職業ごとに注意すべき点があります。

今回は、休業損害の計算方法を職業別にご紹介します。

 

◆ 給与所得者(会社員・アルバイトなど)

通常は「事故前3か月の給与総額÷90日×休業日数」で算出されます。給与総額は手取りではなく、税・社会保険料が控除される前の金額です。暦上の日数(90日)ではなく、実際に稼働した日数を用いて計算する場合もあります。

休業日数に含まれるのは、入通院のために仕事ができなかった日です。有給を取得した日についても休業損害が認められます。休業日数は、勤務先が作成する休業損害証明書で証明します。

 

◆ 会社役員

会社役員の報酬には、利益の配当という性質があります。利益配当分は事故の影響で実際に働いていないとしても支払われるため、休業損害は発生しません。

そこで、報酬全体のうち労働の対価といえる部分がどれほどかを検討して、1日あたりの収入を算出する必要があります。

 

◆ 自営業者

自営業者は、一般的に「事故前年の確定申告書の所得額÷365日×休業日数」で算出します。

休業により発生しなかった経費は、損害には含まれません。ただし、休業していても生じる固定費(家賃、損害保険料、従業員への給与など)については損害として認められます。

 

◆ 主婦・主夫

主婦・主夫で収入がなくても、事故の影響で家事労働ができなくなっていれば休業損害を請求できます。

計算のもとになる基礎収入としては、女性の平均賃金が利用されます。男性(主夫)であっても女性の平均賃金を365日で割って1日あたりの収入を計算するのが一般的です。兼業主婦・主夫の場合には、実際の収入と女性の平均賃金のうち高い方を基準にします。

事故直後は家事が一切できなかった(100%休業)としても、回復するにつれてできる範囲が広がっていくため、時期に応じて休業割合を減らしていく計算方法をとる場合もあります。たとえば「最初の30日は100%、次の60日は70%、それ以降は50%」といった具合です。

 

◆ 無職

無職の場合には、基本的には休業損害は発生しません。

既に内定が出ていたときには、内定先の予定給与額から1日あたりの収入を計算して請求できます。内定がなくても、就職活動をしていて就労する蓋然性が高いと認められれば請求が可能です。

 

◆ 学生

学生でもアルバイトをしていれば、給与所得者として休業損害を計算できます。

卒業前で内定が出ていたときには、内定先の給与から1日あたりの収入を計算します。事故の影響で留年して卒業が遅れたときにも、年齢別の平均賃金をもとに請求が可能です。

 

 

以上が職業別の休業損害の計算方法です。会社員であれば比較的わかりやすいですが、自営業者など、算定自体が難しく相手方と争いになるケースもあります。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。休業損害の計算方法がわからない方や、相手方の提示額に疑問がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.07.24更新

交通事故の休業損害とは?

交通事故によるケガの影響で仕事ができなかったときには、休業損害を受け取れます。今回は、休業損害とは何か、誰が受け取れるのか、いつまでもらえるのかをご紹介します。

 

◆ 休業損害とは?

休業損害とは、交通事故によるケガが原因で減少した収入をいいます。事故によるケガで治療が必要になり仕事を休まざるを得なくなると、本来は得られるはずであった収入が得られなくなります。休業損害は、得られなかった収入を補償するためのものです。

大まかにいうと、1日あたりの収入に休業した日数を掛け合わせて算出した金額を、相手方に請求できます。

似た言葉に「休業補償」がありますが、これは労災によって生じた休業に対して支払われるものです。交通事故では休業損害という用語を用います。

 

◆ 休業損害は誰がもらえる?

多くの人が休業損害を受け取れます。

給与所得者(会社員や公務員)であれば、受け取れるはずの収入額はわかりやすいです。もちろん休業損害を受け取れます。

事業所得者(自営業・個人事業主)の方についても、売り上げの減少が発生すれば休業損害の対象です。ただし仕事ができないために減少した分の経費については差し引かれます。

収入がない主婦・主夫についても、家事労働ができなくなっていれば、女性の平均賃金を基準として休業損害を請求できます。仕事をしている兼業主婦・主夫は、実際の収入額と女性の平均賃金の高い方で請求が可能です。

学生であっても、アルバイトで収入があれば、会社員と同様に扱われます。事故の影響で就職が遅れたときにも対象です。

無職であれば、収入がない以上は基本的に受け取れません。内定が出ていたなど、近いうちに働くのが確実であったケースでは請求が可能です。

 

◆ 休業損害はいつまでもらえる?

休業損害の対象になるのは、治癒もしくは症状固定までです。

ケガが完全に治癒したときには、その後は問題なく働けるはずであり、休業損害は発生しません。

症状固定とは、それ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態です。症状固定後には休業損害は受け取れません。症状固定後に労働に制限があるときは、後遺障害認定を受ければ「逸失利益」として補償を受けられます。

症状固定や逸失利益については、以下の記事を参考にしてください。

症状固定が交通事故賠償において持つ意味

後遺障害による逸失利益の計算方法

 

 

以上が休業損害に関する基礎知識になります。職種ごとの計算方法については今後改めて詳しく解説します。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。休業損害について疑問や困りごとがある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.06.28更新

交通事故で死亡した際の葬儀費用

交通事故で亡くなった場合、死亡慰謝料や死亡逸失利益のほかに、葬儀費用も相手方に請求できます。

今回は、交通事故の葬儀費用について解説します。死亡慰謝料や死亡逸失利益については、以下の記事を参照してください。

交通事故の死亡慰謝料の相場

死亡逸失利益とは?計算方法を解説

 

◆ 死亡事故で葬儀費用は賠償の対象になる?

かつては「人は遅かれ早かれ亡くなるから、葬儀費用は事故と関係なくいずれ支払うものだ」との理由で、死亡事故における葬儀費用は賠償の対象外だとする考えもありました。

しかし、判例上は葬儀費用も賠償対象になると認められています。葬儀費用の支払いを受けられる点に問題はありません。

 

◆ 葬儀費用に含まれる範囲

葬儀そのものだけでなく、関係する費用の一部も「葬儀関係費用」として補償の対象です。

葬儀関係費用に含まれるものとしては、たとえば以下が挙げられます。

・葬儀そのものにかかる費用

・火葬費用

・読経代、戒名代、お布施

・法要にかかる費用(四十九日まで)

・墓碑建設費用

・仏壇・仏具購入費用

ただし、葬儀関係費用の範囲は明確でない部分もあります。墓碑建設費用、仏壇・仏具購入費用、遺体処置・搬送費用などについて、葬儀関係費用とは別に損害として認められたケースも存在します。

いずれにしても、領収書等をとっておき、支出を証明できるようにしておくのが重要です。

なお、受け取った香典の金額を差し引く必要はありません。その反面、香典返しの費用は損害には含まれないとされています。

 

◆ 交通事故で賠償される葬儀費用の金額

支出した金額が大きいからといって、全額を支払ってもらえるわけではありません。

実際に葬儀関係費用として支払ってもらえる金額は、自賠責基準では100万円です。任意保険会社が提示するのも100万円に近い金額となります。

対して、弁護士基準では150万円です(赤い本の場合)。上限が150万円であり、下回る場合は実際に支出した金額となります。

基本的には、150万円を超える部分については請求できません。ただし、社会的地位が高い、若年であるといった理由で葬儀が大規模になるのが妥当だと考えられ、150万円を超える金額が認められたケースは存在します。あくまで例外ですので、原則として弁護士に依頼しても上限は150万円になります。

とはいえ、弁護士基準で請求すれば、自賠責基準や任意保険基準に比べると高額です。加えて、弁護士に依頼すれば、死亡慰謝料や死亡逸失利益については大幅な上乗せが期待できます。

 

大切なご家族が亡くなったにもかかわらず、相手方に不誠実な対応をされている方も多いかと思います。当事務所では、交通事故の初回相談は無料です。悩みや疑問を抱えている方は、まずはご相談ください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.05.22更新

交通事故の死亡慰謝料の相場

交通事故で亡くなった本人やご遺族の苦しみ・悲しみは、計り知れないものかと思います。その精神的苦痛への賠償金として、ご遺族は死亡慰謝料を相手方に請求できます。

もちろん、すべてをお金で解決できるわけではありません。とはいえ、気持ちの整理をつけるためには、適正な慰謝料を受け取ることも重要になります。

今回は交通事故の死亡慰謝料について解説します。

 

 

◆ 交通事故における死亡慰謝料とは?

一般的に慰謝料とは、精神的苦痛に対する賠償金です。

死亡事故においては、2種類の死亡慰謝料があります。

 

 ・被害者本人の死亡慰謝料

 ・遺族固有の死亡慰謝料

 

「被害者本人の死亡慰謝料」は、思いもよらぬ形で亡くなった方が受けた精神的苦痛を賠償するものです。たとえ即死であったとしても発生します。

「遺族固有の死亡慰謝料」は、近親者を亡くしたご遺族の精神的苦痛に対する賠償金です。請求できるのは、民法上は父母・配偶者・子のみとなっています。もっとも、これらの親族と同等の関係があり、甚大な精神的苦痛を受けた人についても、遺族固有の死亡慰謝料が認められるケースがあります。たとえば、被害者と同居していた兄弟姉妹などです。

いずれの死亡慰謝料についても、ご遺族が相手方に請求できます。

 

◆ 交通事故の死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料の相場は、誰が算出するかによって異なります。

自賠責保険の支払い基準においては、以下の通り定められています。

 

 ・被害者本人の慰謝料  400万円

 ・遺族固有の慰謝料
   請求者1人   550万円
   請求者2人   650万円
   請求者3人以上 750万円
   被扶養者がいる (上記に加え)200万円

 

被害者本人の慰謝料は一律400万円です。遺族固有の慰謝料は請求権者(父母・配偶者・子)の人数によって変わります。たとえば、家族を養っている夫が妻と子1人を残して亡くなった場合には「400万円(本人)+650万円(請求権者2人)+200万円(被扶養者あり)」で計1250万円です。

任意保険会社が提示してくる金額は、自賠責保険基準と同等か多少の上乗せをした程度に過ぎないケースが多いです。

 

弁護士は、過去の裁判例をもとに請求します。被害者の立場によって変わり、目安は以下の通りです。

 

 ・一家の支柱 2800万円

 ・母親、配偶者 2500万円

 ・その他(独身の男女、子どもなど) 2000~2500万円

 

上記は、本人と遺族固有の慰謝料を合わせた金額です。いずれの場合でも、自賠責保険基準に比べて大幅に高いとおわかりいただけるでしょう。あくまで目安ですので、個々の事情によって増額されるケースもあります。

 

 

以上が死亡慰謝料に関する基本的な知識です。死亡事故においては、死亡慰謝料の他にも、死亡逸失利益や葬儀費用なども請求できます。

賠償総額は高額になりますが、相手方が不当に低い金額を示してくるケースは非常に多いです。また、相手の不誠実な対応によって感情を害されている方もいらっしゃるでしょう。弁護士にご依頼いただければ、増額が期待できるとともに、相手とのやり取りによるストレスも軽減できます。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。まずはお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.04.25更新

死亡逸失利益とは?計算方法を解説

交通事故により亡くなってしまった場合には、本人に代わってご遺族が相手方に賠償金を請求します。死亡事故の際に相手に請求できる賠償金の費目のひとつが「死亡逸失利益」です。

今回は死亡逸失利益について解説します。

 

◆ 死亡逸失利益とは?

死亡逸失利益とは、事故により亡くならなければ得られたであろう、将来の収入です。

交通事故により亡くなると、今後得られるはずであった生涯分の収入を得られなくなってしまい、損害が生じます。そこで、得られなかった将来の収入を「死亡逸失利益」という費目で相手方に請求できます。

 

◆ 死亡逸失利益の計算方法

死亡逸失利益は以下の計算式で算出されます。

基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

それぞれの要素について解説します。

 

●基礎収入

基礎収入は、基本的には事故前年の収入です。

会社員など給与所得者の方であれば、源泉徴収票から比較的簡単に明らかになるでしょう。自営業など事業所得者については、確定申告書などを確認します。

収入がない主婦(主夫)であっても家事労働をしていますので、女性の平均賃金をもとに請求が可能です。今後働く予定の子どもについては、一般的には男子は男性の、女子は男女合わせた平均賃金を基準にします。失業者であっても、今後働ける蓋然性が高い場合には、再就職によって得られる見込みの収入をもとに死亡逸失利益の請求が可能です。

 

●生活費控除率

亡くなった際には将来得られるはずの収入を失いますが、今後の生活費がかからなくなる側面もあります。「生活費控除率」とは、今後かかるはずであった生活費を除くための割合です。亡くなった方の立場によって、以下の通り割合が変わります。

被害者の立場

生活費控除率

一家の支柱(被扶養者1人)

40%

一家の支柱(被扶養者2人以上)

30%

女性(主婦・独身・幼児など)

30%

男性(独身、幼児など)

50%

 

●就労可能年数に対応するライプニッツ係数

就労可能年数は67歳までです。

計算する際には、就労可能年数をそのままは使いません。賠償金は一括で受け取り運用が可能であるため、運用益を除くためにライプニッツ係数という数値を利用します。年齢別の具体的な数値は、以下を参照してください。

参考;就労可能年数とライプニッツ係数表|国土交通省

 

これら3つを掛け合わせれば、死亡逸失利益を計算できます。

たとえば、30歳で基礎収入600万円の独身男性が死亡した場合の計算式は、以下の通りです。

600万円×(1-0.5)×22.167=6650万1000円

死亡逸失利益は金額が大きくなりやすく、基礎収入額などをめぐってトラブルになるケースも多いです。

 

以上が死亡逸失利益に関する基本的な知識になります。死亡事故においては、他に死亡慰謝料や葬儀費用なども請求できます。いずれの費目についても、相手方が不当に低額な賠償金を提示してくるケースが非常に多いです。

大切なご家族の命が奪われているにもかかわらず、相手方に不誠実な対応をされてしまい、追い打ちをかけられる方も少なくありません。当事務所では交通事故の初回相談を無料としております。お悩みや疑問点がある方は、まずはご相談ください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.03.21更新

後遺障害による逸失利益の計算方法

交通事故で後遺障害を負った場合には、逸失利益を相手方に請求できます。逸失利益は、交通事故の賠償金の中でも大きなウエイトを占め、重要な項目です。

今回は、後遺障害による逸失利益の計算方法について解説します。

 

◆ 後遺障害逸失利益とは?

後遺障害逸失利益とは、事故による後遺障害がなければ得られたであろう、将来の収入です。

事故で後遺障害が残ると、思うように体が動かずに労働に支障が出てしまい、収入が減少すると考えられます。そこで、将来にわたって続く減収分を「逸失利益」という費目で相手方に請求できます。

 

◆ 逸失利益の計算式

逸失利益の計算式は以下の通りです。

「 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数 」

3つの要素を掛け合わせれば計算できます。以下で各要素について解説します。

 

◆ 基礎収入

基礎収入は、原則として事故前年の年収です。

会社員については、源泉徴収票を確認して、事故前年の実際の収入を基礎収入とします。もっとも、30歳未満の若者については、現時点での賃金が低いため、全年齢平均の賃金センサスをベースとするケースがあります。

自営業者についても同様に事故前年の確定申告を基準にしますが、収入から必要経費は除かれるので注意してください。

その他、実際の収入がない人の扱いは以下の通りです。

 

・主婦・主夫

専業主婦(主夫)で収入がないとしても、家事労働に価値があります。したがって、女性の平均賃金を基礎収入として逸失利益の請求が可能です。兼業主婦(主夫)については、実際の収入と女性の平均賃金のうち高い方が基礎収入となります。

 

・子ども

まだ働いていない子どもについては、原則として全年齢の平均賃金を用います。男子については男性の、女子については男女合わせた平均賃金をもとに請求するのが一般的です。

 

・無職

無職であれば、基本的には逸失利益は認められません。ただし失業中であっても、今後働く可能性が高かったと認められれば、逸失利益の請求が可能です。

 

◆ 労働能力喪失率

労働能力喪失率は、後遺障害によって労働がしづらくなった程度を数値化したものです。基本的には、後遺障害等級によって以下の通り定められています。

 

後遺障害等級

労働能力喪失率

1級

100%

2級

100%

3級

100%

4級

92%

5級

79%

6級

67%

7級

56%

8級

45%

9級

35%

10級

27%

11級

20%

12級

14%

13級

9%

14級

5%

 

 

◆ 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

労働能力喪失期間は、原則として症状固定時から67歳までとされています。未就労であれば、基本的に18歳から67歳です。

もっとも、むちうちの場合には、12級で10年程度、14級で5年程度に制限されるケースが多いです。

賠償金は一括で支払われるため、受け取った後で運用が可能です。運用益を考えると、単に労働能力喪失期間を掛け合わせるだけだと、受け取る側に有利になり過ぎます。そこで、想定される運用益を除くために、ライプニッツ係数という数字を利用します。実際に計算する際には、以下を参考にしてください。

参考;就労可能年数とライプニッツ係数表|国土交通省

 

以上の3つの要素がわかれば、後遺障害逸失利益の金額を計算できます。もっとも、現実には「実際の収入は減っていない」「労働には影響がないはずだ」などと相手に主張され、逸失利益の有無や金額が争いになるケースは多いです。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。「逸失利益がいくらになるか知りたい」「相手方と争いになっている」といった方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.02.15更新

弁護士特約が使えないケース|使えないときの対処法も解説

交通事故で弁護士特約(弁護士費用特約)が利用できれば、多くのケースで自己負担ゼロで弁護士に依頼できます。交通事故に遭った方にとって、弁護士特約は大きな味方です。

しかし、弁護士特約が使えないケースもあります。今回は弁護士特約が使えないケースや対処法について解説します。

弁護士特約の使い方については、以下の記事を参照してください。

参考記事:交通事故での弁護士特約の使い方

 

◆ 弁護士特約が使えないケース

弁護士特約に加入していても、保険約款の定めにより利用できないケースがあります。弁護士特約を使えない主なケースは、以下の通りです。

  • 被保険者の故意・重大な過失による事故
  • 無免許運転、飲酒運転、薬物使用時に生じた事故
  • 闘争行為、自殺行為、犯罪行為により生じた事故
  • 自然災害(地震、噴火、津波、台風、洪水、高潮)
  • 戦争、革命、内乱など
  • 事故の相手方が家族(父母、配偶者、子など)
  • 自動車・バイク以外の事故(自転車など)
  • 事業用車両での事故(保険会社による)

これらは、多くの保険約款において弁護士特約が使えないとされるケースです。契約している保険によって異なる場合があるため、ご自身の保険をよくご確認ください。

また、弁護士特約を利用するには、事故時点で加入していなければなりません。事故後に加入しても補償は受けられないので注意してください。

 

◆ 弁護士特約が使えないときの対処法

上記のいずれかに該当して弁護士特約が使えなくても、弁護士に依頼した方がよいケースは多いです。賠償金増額や交渉の代行など、費用を支払ってでも弁護士への依頼には大きなメリットがあります。

ご自身に弁護士をつけるべきかわからない方は、無料法律相談を利用するとよいでしょう。状況を元に、弁護士に依頼するべきかをアドバイスしてもらえます。

参考記事;交通事故で弁護士に依頼するメリット

 

◆ 弁護士特約の利用を保険会社に断られたら?

意外と多いのが、弁護士特約を利用しようとしたものの、保険会社に嫌がられるケースです。

担当者が保険約款を誤解して、利用できないと判断している場合もあります。しかし、現実には使えないケースは例外的であり、十分な確認が必要です。

保険会社が弁護士費用の負担を避けたい、あるいは弁護士をつけるほどではないと考えているケースもあるでしょう。しかし、保険料を払っているのですから、遠慮する必要はありません。

 

以上が弁護士特約を使えないケースや対処法になります。実際には多くのケースで利用できますので、保険会社に難色を示されても諦めないでください。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。弁護士特約を使えない、あるいは使えるかわからない方も、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.01.25更新

弁護士特約のメリット・デメリット

交通事故で弁護士に依頼する際には、費用が心配な方も多いでしょう。

弁護士特約(弁護士費用特約)を利用できれば、多くのケースで自己負担なくご依頼いただけます。

今回は、弁護士特約のメリット・デメリットを解説します。

 

■ 弁護士特約のメリット① 多くのケースで自己負担がゼロになる

弁護士特約を利用すれば、ほとんどのケースで弁護士費用の全額が保険会社から支払われ、事故に遭った方に自己負担は生じません。

多くの弁護士特約では、法律相談費用10万円、弁護士費用300万円まで補償されます。

法律相談費用は1時間1万円程度が相場であるため、自分に合う弁護士を見つけるために複数相談するとしても十分な補償額です。

弁護士費用についても、300万円を超えるのは、一般的に賠償総額が数千万円に及ぶような重大事故に限られます。ケガが軽いケースや、物損のみのケースでは、まず限度額をオーバーしません。

通常であれば費用倒れになるケースであっても、弁護士特約を利用すれば自己負担なしで安心して依頼できます。もちろん、重大事故についても負担の軽減につながります。

 

■ 弁護士特約のメリット② 賠償金の増額が期待できる

弁護士へ依頼すれば、賠償金を増額できる可能性が高いです。

自分で相手と交渉した場合には、不当に低い「自賠責保険基準」や「任意保険基準」で示談を進められてしまいます。弁護士に依頼すれば高額な「弁護士基準」で請求し、結果的に増額できるケースが多いです。

上述の通り弁護士費用は多くのケースで発生しないため、高い水準の賠償金を丸々受け取れます。

 

■ 弁護士特約のメリット③ もらい事故でも交渉を任せられる

「相手方との交渉は自分の保険会社に任せておけばいい」とお考えになる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、停車中の追突事故や加害者の信号無視など、被害者に過失がない「もらい事故」の場合には、保険会社は示談交渉を代行できません。被害に遭って大変な思いをしている中、自力で交渉をするのは精神的に大きなストレスです。

もらい事故であっても弁護士特約を利用すれば交渉を任せられるので、ストレスから解放されます。相手方との交渉を弁護士に任せられる点も、弁護士特約の大きなメリットです。

 

■ 弁護士特約に大きなデメリットはない

弁護士特約を利用するのに、大きなデメリットはありません。

たしかに、年数千円の保険料が追加でかかります。とはいえ、事故に遭った際に受けるメリットの方が大きいといえます。

勘違いされている方も多いですが、弁護士特約を利用しても保険の等級に影響はありません。今後の保険料アップにはつながらないので安心してください。

 

 

以上が弁護士特約のメリット・デメリットになります。大きなデメリットはないので、事故に遭われた方は、利用をご検討ください。

特約の利用方法については、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:交通事故での弁護士特約の使い方

 

当事務所では、弁護士特約がない方についても初回相談は無料です。交通事故についてお困りの点、気になる点がある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所

2023.12.25更新

交通事故の弁護士費用の相場|相手に請求できる?費用倒れを防ぐには?

交通事故で弁護士に依頼すると、賠償金が増額する可能性が高いです。とはいえ、弁護士費用が気になる方も多いでしょう。

今回は、交通事故の弁護士費用について解説します。

 

◆ 交通事故における弁護士費用の相場

弁護士費用は、主に相談料、着手金、成功報酬などに分かれます。費目ごとに相場をご紹介します。

  • 相談料

相談料の相場は、30分で5000円程度です。相談だけで依頼しない場合にも支払いが必要です。

最近では、相談料を無料としている事務所も増えています。当事務所も、初回相談は無料です。時間制限は特に設けていないので、じっくりとお話を伺います。

  • 着手金

着手金は、依頼の際に最初にいただくお金です。結果にかかわらず返金はされません。

事故の大きさにもよりますが、交通事故の場合、着手金の相場は10~20万円程度です。交通事故については「着手金無料」としている事務所もあります。

当事務所でも、保険会社から示談金額の提示を受けているときには着手金を無料としております。

  • 成功報酬

成功報酬は、結果に応じて終了時にいただくお金です。通常は受け取った賠償金から差し引かれます。

交通事故では「獲得した金額」または「増加した金額」の10~20%程度が相場になります。着手金なしの完全成功報酬制の場合には、成功報酬の割合が高くなりやすいです。事務所によって差があるため、依頼の際には十分に確認してください。

  • その他

その他には、実費や日当がかかります。

実費は、交通費、印紙代、郵送代、コピー代など実際に要した費用です。日当は、裁判所や現地調査など事務所外で活動した場合に発生します。

 

◆ 弁護士費用を相手に請求できる?

交通事故で裁判をして勝訴した場合には、相手に弁護士費用を請求できます。実際に弁護士に払った費用ではなく、認められた損害額の10%程度が加算されます。

もっとも、裁判に至らずに示談交渉で解決した場合には、弁護士費用は受け取れません。多くのケースで裁判にはなりませんので、相手に弁護士費用を請求するのは困難です。

 

◆ 相談時に確認すれば費用倒れを防げる

弁護士費用を差し引いて手元に残った金額が、元々受け取れるはずだった金額よりも少なくなるのが「費用倒れ」です。

交通事故の場合には、費用倒れになる心配はほとんどありません。相談の段階で見通しを聞き、費用倒れになりそうな場合には依頼しなければいいのです。

ほとんどの弁護士は、費用倒れになりそうであれば伝えます。過度に費用倒れをおそれる必要はないので、まずはご相談ください。

 

◆ 弁護士費用特約を利用できれば自己負担がゼロになるケースが多い

弁護士費用特約を利用できるケースでは、300万円までの弁護士費用が保険会社から支払われます。

重傷でなければ300万円以内におさまり、自己負担はゼロのケースがほとんどです。費用の心配をせずに依頼できますので、弁護士費用特約がないかを必ず確認しましょう。

参考記事:交通事故での弁護士特約の使い方

 

以上が交通事故の弁護士費用に関する概要です。

弁護士費用は事務所によって異なります。必ず相談の際に確認し、疑問があったら遠慮せず聞くようにしてください。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。費用面を含めて見通しをお伝えしますので、交通事故に遭われた方はお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.11.10更新

交通事故で弁護士に依頼するメリット

「弁護士に相談・依頼するのは、なかなかハードルが高い」という方は少なくないでしょう。

ですが、交通事故に遭った方にとっては、弁護士をつけるメリットが大きいです。「思い切って相談してよかった」とのお声もいただきます。

今回は、交通事故で弁護士に依頼する主なメリットを、5つに絞ってご紹介します。

 

◆ メリット①慰謝料を増額できる

弁護士に依頼すれば、慰謝料を増額できる可能性が高いです。

弁護士をつけていないと、相手方の保険会社は「自賠責保険基準」や「任意保険基準」で算定した慰謝料を提示してきます。しかし、弁護士が請求する際に用いる「弁護士基準」と比べると低い金額です。

弁護士が入って、慰謝料が2倍、3倍となるケースは珍しくありません。依頼した多くの方が、慰謝料増額のメリットを享受できます。

 

◆ メリット②適正な後遺障害等級を認定してもらえる

弁護士がついたことで、正しい後遺障害等級の認定を受けられるケースがあります。

保険会社に任せる「事前認定」の手続きでは、資料が不十分で、本来認められるべき等級が認定されない場合が少なくありません。弁護士に申請手続きを任せれば、有利な資料の添付ができ、認定の可能性を高められます。

より上位の等級の後遺障害が認められれば、慰謝料や逸失利益が増額します。

(参考記事)

後遺障害の認定を受けるメリット

後遺障害認定までの流れ|事前認定と被害者請求の違い

 

◆ メリット③治療についてもアドバイス・サポートを受けられる

後遺障害認定のためには、治療の頻度や検査内容も重要になります。

もちろん、治療方針を決めるのは医師です。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくない場合が多いです。交通事故に精通した弁護士であれば、後遺障害認定をみすえて、通院頻度、受けるべき検査などをアドバイスできます。

加えて、相手方の保険会社から治療費打ち切りを宣告された場合でも、必要に応じて治療期間延長の交渉が可能です。

弁護士に依頼すれば、示談金の交渉だけでなく、事故直後から治療に関してサポートを受けられます。

 

◆ メリット④正しい過失割合を主張できる

交通事故では、過失割合が争いになるケースも多いです。相手から言われた割合に納得のいかない方も少なくないでしょう。

弁護士は、現地調査や捜査資料の取り寄せなどを通じて、正しい過失割合を主張します。過失割合によって、受け取れる賠償金が大きく変わる場合もあります。

 

◆ メリット⑤相手方とのやりとりを任せられる

相手方保険会社とのやりとりにストレスを抱えている方も多いでしょう。「難しい専門用語を使われた」「こちらの心情に配慮してくれない」といった声をよく耳にします。

弁護士に交渉を任せてしまえば、面倒なやりとりから解放されます。金銭面だけでなく、精神面でも弁護士に依頼するメリットは大きいです。

 

以上が、交通事故で弁護士に依頼するメリットになります。

弁護士費用の心配をされる方も多いですが、当事務所では、状況によっては着手金無料でご依頼いただけます。また、弁護士費用特約が利用できれば、ほとんどのケースで自己負担はゼロです。

(参考記事)

交通事故での弁護士特約の使い方

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。

「提示された示談金が低すぎる」「後遺障害等級は正しいのか」「保険会社とのやりとりがストレス」など、疑問や不満をお持ちの方は、まずはお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所