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2023.05.23更新

不倫の証拠になるもの

相談で「○○は不倫の証拠になりますか」とたびたび聞かれます。

不倫は、法律上「不貞行為」と呼ばれます。不貞行為とは「配偶者(妻や夫)以外の異性と、自由な意思に基づいて性的関係を持つこと」です。

いくら仲が良くても、性的関係がなければ不貞行為とはなりません。不倫の有力な証拠になるかのポイントは、性行為を証明できるか否かにあります。

具体的に証拠になり得るものとしては、以下が挙げられます。

 

◆メール・LINE

不倫の証拠として、メールやLINEでのやりとりを示す方は多いです。

たしかに、性的関係に言及しているメッセージは有力な証拠になります。しかし、日常的なやりとりだけでは、不貞行為の証拠としては不十分です。

仲の良さだけでなく、性的関係をうかがわせるメッセージがあるかがポイントになります。

 

◆写真・動画

写真や動画も、証拠として真っ先にイメージされるでしょう。

性行為をした場面が直接記録に残っていれば強力な証拠になりますが、そう簡単には入手できないかと思います。2人でホテルから出てきた際の写真や動画も、一般的には性的関係を推測させるため有力な証拠です。

これらに比べると、腕を組んでいる場面を捉えた写真が1枚ある程度では、証拠としては弱くなってしまいます。

 

◆相手が不倫の事実を認めた音声・書面

録音や念書など相手が不倫の事実を認めた証拠があれば、非常に有効です。不倫の事実を認めた際には、記録に残しておくようにしましょう。

もっとも「むりやり署名させられた」などと主張されるケースもあります。感情的になりすぎず、冷静に話すことが重要です。

 

◆興信所・探偵事務所の調査報告書

興信所や探偵事務所が作成した報告書は、強力な証拠になるケースが多いです。

ただし、一般的に調査費用が高額であり、不倫で慰謝料を受け取れたとしても損をしてしまう可能性もあります。これから依頼を考えている方は注意してください。

 

これらの他にも、SNSの投稿、レシート、クレジットカードの利用明細、通話履歴、交通系ICカードの利用履歴、カーナビの検索履歴、ドライブレコーダーの音声などが証拠になり得ます。ただし、性的関係を直接示せず、有力な証拠にはなりづらい場合もあります。もちろん、全く無意味なわけではないので、手元にある証拠は残しておいてください。

なお、証拠を集めたいとの思いが強すぎて、違法行為に及んでしまう方もいます。勝手に他人の住居に侵入したりしないようにしましょう。

 

「何が証拠になるの?」「手元にある証拠で証明できる?」といった疑問をお持ちの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.05.11更新

離婚できる理由は?5つの法廷離婚事由

「○○を理由に離婚できますか」と相談の場でよく聞かれます。

お互いが合意できるのであれば、いかなる理由であっても離婚が可能です。もっとも、一方が拒否するときには、法律上定められた要件(法定離婚事由)を満たさないと離婚が認められません。

法定離婚事由は民法770条各号に規定されています。1号から順にご紹介します。

 

◆ 1号:不貞行為

不貞行為とは、配偶者(妻や夫)以外の異性と自由な意思に基づいて性的関係を持つことです。いわゆる不倫や浮気をイメージしてください。

法律上の不貞行為に該当するためには、性的関係が認められなければなりません。腕を組んだりキスしたりするだけでなく、性行為があったと判断できる必要があります。

現実には、性的関係を直接証明するのは困難です。ラブホテルから出てきた現場の写真や、性的関係をうかがわせるメッセージのやりとりなどがあれば、有力な証拠となります。

十分な証拠がなくても、5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められるケースもあります。

 

◆ 2号:悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、正当な理由なく、同居・協力・扶助という夫婦間の義務に反することをいいます。勝手に家を出て行く、収入があるのに生活費を一切渡さない、といったケースです。

単身赴任のために家を空けているなど、正当な理由があれば該当しません。

 

◆ 3号:3年以上の生死不明

配偶者の生死が3年以上わからないときも離婚できます。警察に捜索願を出したり友人や知人にたずねたりしたにもかかわらず、行方がつかめないケースです。

居場所がわからなくても、手紙や電話などで生きている事実がわかっている場合には該当しません。

なお、7年以上生死不明のときには失踪宣告制度の対象になります(民法30条)。失踪宣告がなされると死亡したとみなされて婚姻関係は解消され、相続が始まります(民法31条)。

 

◆ 4号:回復の見込みがない強度の精神病

配偶者が統合失調症などの重い精神病にかかっていて回復の見込みがなければ、離婚できる可能性があります。

もっとも、精神病になっている配偶者の生活に配慮が必要であるため、4号による離婚は簡単には認められません。

 

◆ 5号:その他婚姻を継続しがたい重大な事由

1~4号のいずれに該当しなくても「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められれば離婚が可能です。

認められる可能性がある例としては、以下が挙げられます。

  • 長期間の別居
  • DV・モラハラ
  • 性の不一致・セックスレス
  • 犯罪行為による服役
  • アルコール・薬物依存
  • 借金・ギャンブル・浪費
  • 過度な宗教活動

単に上記の事情があるだけでなく、それにより夫婦生活が破綻しているかがポイントになります。

とりわけ長期間(数年以上)の別居は、夫婦生活の破綻を裏付けるために重要な要素です。

よく「性格の不一致」が離婚理由として挙げられますが、人間同士である以上、多少性格が合わない事態は生じ得ます。裁判において性格の不一致だけで離婚が認められるのは、よほどの場合だけです。基本的には、他の要素と合わさって離婚の理由となり得るに過ぎません。

 

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。離婚理由があるかでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所