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2024.01.15更新

離婚届を勝手に出されないように「不受理届」を提出しましょう

「相手が離婚したがっており、勝手に離婚届を出されないか不安」とお悩みではないですか?

離婚届を勝手に提出しても法律上無効です。もっとも、いったん受理されてしまえば、離婚が無効であるとして戸籍を訂正するまでに大変な手間がかかります。

そこで、あらかじめ「不受理届」を提出しておくのが効果的です。

今回は、離婚届を勝手に出されそうなときに有効な「不受理届」について解説します。

 

◆ 離婚届を勝手に出されたらどうなる?

相手が離婚を強く望んでいる場合や、親権を激しく争っている場合などで、勝手に役所に離婚届を提出されてしまう可能性があります。署名を偽造されるケースはもちろん、ケンカの勢いで離婚届に必要事項を記載していたケースでも注意が必要です。

離婚には夫婦双方の意思が要求されます。勝手に離婚届を提出しても法律上は無効です。相手に有印私文書偽造罪などの犯罪が成立する可能性もあります。

もっとも、役所の窓口では記載事項に関する形式的なチェックしか行われません。書面上問題がなければ、離婚が受理されて戸籍が変更されてしまうのです。

いったん離婚届が受理されてしまうと、元に戻すのは大変です。裁判所での調停や訴訟により、離婚が無効だと争わなければなりません。

 

◆ 離婚届を勝手に出されそうなら不受理届を提出する

離婚届が出されてからでは訂正するのが面倒です。そこで、あらかじめ「不受理届」を提出しておくのが有効な方法になります。

離婚届の不受理を申し出ておけば、提出した本人が窓口に出向かない限り、離婚届は受理されません。相手に勝手に提出される心配がなくなります。

不受理届に有効期限はありません。後で取り下げることは可能です。提出した事実は相手に通知されませんが、勝手に離婚届を出そうとした際には発覚します。。

提出先は、本籍地や住所地などの役場です。書式は役所のホームページや窓口で入手できます。原則として、窓口に直接出向かなければなりません。本人確認書類を忘れないようにしましょう。

詳しくは、各自治体にお問い合わせください。京都市の場合にはこちらが参考になります。

 

以上が不受理届の概要です。相手が離婚を強く望んでいる場合には、提出しておいた方が安心といえます。

当事務所では、離婚に関する初回相談を無料としております。相手に離婚を迫られていてどう対処すればいいかお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.12.13更新

離婚調停を弁護士に依頼するメリット

「離婚調停は弁護士に依頼した方がいいの?」と聞かれることがあります。

離婚調停に弁護士が関わる割合は年々増加しており、2021年のデータでは、片方または双方に弁護士がついた事件が6割です(弁護士白書2022年版|日本弁護士連合会)。

弁護士に依頼した方が、離婚調停をスムーズに進められます。具体的なメリットは以下の3つです。

 

◆ 有利な解決に導きやすい

弁護士がついた方が、離婚調停を有利に進められる可能性が高いです。

ご自身だけで調停に出席すると、緊張して思いを伝えられない、あるいは感情的になり過ぎるといった事態が生じます。調停委員に悪い印象を与えれば、話し合いが相手に有利な方向に進みやすいです。調停委員に押し切られて、納得できないまま最終的な調停条項に同意してしまうと、取り返しがつきません。

弁護士は調停に同行しますので、主張を代弁したり、皆様の発言にフォローを加えたりできます。主張を法的に整理して伝えれば、調停委員の印象も良くなりやすいです。無理やり相手の主張を飲まされる心配もありません。

財産分与など離婚に伴う金銭問題や、親権など子どもに関する取り決めについてより良い結論を目指すのであれば、弁護士をつけるのがオススメです。

 

◆ 手続きにかける時間を減らせる

離婚調停では、裁判所が要求する書類や証拠を提出しなければなりません。必要書類の収集や作成に時間をとられてしまい、日常生活に支障が出る方も多いです。申立て等の手続きも、慣れていないと負担に感じるでしょう。

弁護士がついていれば、書類作成や裁判所とのやりとりの多くを任せられます。面倒な事務作業から解放されるため、普段の生活への影響を抑えられます。

 

◆ 精神的負担を軽減できる

離婚調停によって、精神的に追い詰められる方は少なくありません。離婚という人生の一大事についてトラブルになっているだけでなく、慣れない調停の手続きがストレスになるためです。

弁護士は皆様の味方です。手続きや相手方・裁判所とのやりとりを任せられるため、精神的にも安心できるでしょう。相手に弁護士がついているときでも、気後れせずにすみます。

精神的なストレスを軽減したい方にとっても、弁護士をつけるメリットが大きいです。

 

以上が離婚調停を弁護士に依頼するメリットになります。もちろん、弁護士をつけるかどうかは自由です。ご自身の状況や費用を踏まえてご検討ください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。相談だけで、依頼しなくても構いません。離婚に関して疑問や悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.11.27更新

離婚調停の服装や持ち物

離婚調停の当日にどう臨めばいいかについて、悩まれる方は多いようです。法律相談でも「服装はどう選べばいいの?」「持ち物は何?」といった質問をよく受けます。

今回は、離婚調停の服装や持ち物について解説します。

 

◆ 離婚調停の服装(男性の場合)

離婚調停における服装に決まりはありません。とはいえ、常識的な服装をしていくべきです。常識から外れた服装で出席すると、調停委員からマイナスの印象を抱かれるおそれがあります。

男性の場合は、スーツを着ていくのが無難です。わざわざ新調する必要はありませんが、普段着で行くにしても、清潔感のある服装を心がけてください。穴の空いたジーンズやサンダルなど、カジュアルすぎる服装は避けましょう。髭もきれいにしておくとよいです。

 

◆ 離婚調停の服装(女性の場合)

女性の場合も、常識的な服装をする点は変わりません。スーツを着ている方は少数です。オフィスに着ていく服装をイメージするとよいでしょう。

気をつけて欲しいのが、高級ブランドの服やカバンです。養育費や財産分与を求めているのに、お金があると思われてしまう見た目だと説得力がありません。

調停委員は50~60代の方が多いため、メイクは派手すぎず、髪の色も明るすぎない方が無難です。

 

◆ 離婚調停の持ち物

離婚調停には以下のものを持っていくとよいです。

  • 裁判所から届いた書類(呼出状など)
  • 裁判所に提出した書類のコピー
  • 証拠書類(写真、診断書など示したいものがある場合)
  • 自分の言い分をまとめたメモ
  • 振込先口座がわかるもの(通帳など)
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑(実印である必要はない)
  • 筆記具・メモ帳(録音・録画は不可)
  • スケジュール帳(次回期日の予定調整に必要)
  • 待ち時間をつぶせるもの(本・雑誌など)

他にも、裁判所から指示されたものがあれば持参してください。

 

以上が離婚調停の服装や持ち物になります。服装は、調停委員の印象を損ねないことを意識してください。持ち物は、何か忘れたからといって直ちに不利になるわけではないので、裁判所の指示に従っていれば問題ありません。

 

調停は非公開の話し合いであるとはいえ、裁判所に行ったことがない方が大半であり、緊張されるかと思います。不安な点は弁護士にご相談ください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。離婚調停にひとりで臨める自信がない方や、些細であっても気になる点がある方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.10.23更新

離婚調停の流れ~申立てから離婚成立まで

離婚調停は、離婚に関する裁判所での話し合いです。夫婦だけでの話し合いが難しいときにも、調停委員を間に挟むと話が進むケースが少なくありません。

離婚調停に不安を抱える方は多いでしょう。一般の方であれば裁判所に行く機会は少ないため、不安に感じるのは無理もありません。

少しでも安心して臨んでいただくために、今回は離婚調停の流れを解説します。

 

◆ 申立て

離婚調停の申立ては、申立書と必要書類を家庭裁判所に提出して行います。

申立書の書式は、裁判所のホームページで入手できます。

必要書類は戸籍謄本などです。年金分割を求める際には「年金分割のための情報通知書」が必要ですが、時間がかかるので早めに取得しておきましょう。

参考記事:年金分割の手続き|2年以内に請求を!

 

原則として、提出先は相手の住所地を管轄する家庭裁判所です。たとえば、相手が京都市に住んでいれば京都家庭裁判所(本庁)となります。管轄裁判所のホームページをチェックして、必要書類や書式を確認してください。

参考:京都家庭裁判所における手続案内

 

◆ 呼出状の送付

申立てをすると、当事者双方に呼出状が届き、第1回期日の日時などがわかります。第1回期日は申立てから1~2ヶ月後に指定されます。当日の予定を空けておくようにしてください。

調停は平日の昼間に開かれるため、どうしても都合がつかない場合もあるでしょう。指定された日に出席できない場合には、早めに裁判所に連絡してください。

 

◆ 調停期日

調停当日は、指定された時間に裁判所に出向きましょう。受付をすませて待合室で待機していれば、調停委員が呼びに来ます。待合室は相手とは別です。

調停では、当事者が交互に呼ばれて調停室に入り、調停委員と話をします。法廷ではなく、会議室のような部屋で行いますので、過度に身構える必要はありません。調停委員は、双方に相手の主張内容を伝えます。

一般的には、30分ずつ交互に呼ばれ、双方が2回ずつ調停委員と話し、計2時間程度になるケースが多いです。一方の時間が長い場合や、3時間程度に及ぶ場合もあります。

調停の最後に、次回の予定が調整されます。ペースとしては、1ヶ月~1ヶ月半に1回程度です。

 

◆ 調停終了

双方が離婚することや離婚の条件で合意すると、調停成立です。合意内容が調停調書にまとめられます。調停調書は判決と同様の効力を有し、強制執行も可能です。調停終了後には、離婚届を役所に提出する必要があります。

調停はあくまで話し合いなので、双方が合意できなければ不成立となって終了します。不成立となったときには、離婚訴訟の提起が可能です。

参考記事:離婚の種類

 

以上が離婚調停の大まかな流れになります。

離婚調停は、自力で進めることも可能です。もっとも、うまく主張を伝えられなかったり、不利な条件を受け入れてしまったりするリスクがあります。弁護士への依頼もご検討ください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。離婚に関してお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.08.24更新

年金分割の手続き|2年以内に請求を!

年金分割とは、離婚時に婚姻期間中の厚生年金の記録を分ける制度です。

以前の記事で、年金分割の概要を解説しました。

 

(参考記事:年金分割は半分もらえるわけではない!離婚時の年金分割の基礎知識

 

今回は、年金分割をする際の具体的手続きについて解説します。

 

◆ ①情報通知書の受け取り

まずは、年金事務所などで「年金分割のための情報通知書」を入手しなければなりません。

必要書類は以下の通りです。

  • 年金分割のための情報提供請求書(様式
  • マイナンバーカード(または基礎年金番号がわかる年金手帳等の書類)
  • 婚姻期間がわかる書類(戸籍謄本等)

情報通知書には、年金分割の対象期間や標準報酬総額など、必要な情報が記載されています。50歳以上の場合には、年金の見込み額もわかります。

請求はひとりでも可能です。離婚前に請求すれば、相手に知られずに情報通知書を受け取れます。

 

◆ ②年金分割についての合意

情報通知書を受け取ったら、その内容をもとに年金分割について話し合いをします。分割すると決まれば、按分割合は0.5とされるのが通常です。夫婦で話し合いがつかなければ、家庭裁判所の調停などで決定されます。

3号分割だけであれば、合意の必要はありません。具体的には、2008年4月以降に結婚し、一方がずっと扶養に入っていたケースです。

 

◆ ③年金分割の請求

年金分割の内容が決まったら、離婚後に請求手続きを行います。

必要書類は以下の通りです。

  • 標準報酬改定請求書(様式
  • マイナンバーカード(または年金手帳等)
  • 戸籍謄本等
  • 按分割合がわかる書類(合意書、公正証書、調停調書等)

合意書面を(元)夫婦だけで作成したときには、手続きにふたりで行かなければなりません。代理人に任せることも可能です。公正証書や調停調書などがあるときには、ひとりで構いません。

3号分割だけであれば、ひとりで手続きができます。按分割合がわかる書類は不要です。

手続きをすませると、後日「標準報酬改定通知書」が送付されます。

 

◆ 必ず2年以内に手続きをする

年金分割は、必ず離婚後2年以内に手続きをしてください。夫婦間で合意があったとしても、2年を過ぎると請求できません。分割手続きをする前に相手が亡くなったときには、その後1か月以内が請求期限となります。

3号分割であっても、必ず手続きが必要です。自動的に分割されるわけではないので注意してください。

 

以上が年金分割の手続きの流れです。離婚後に請求するのを忘れないようにしてください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料にしております。年金分割に限らず、離婚全般に関してお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.07.20更新

年金分割は半分もらえるわけではない!離婚時の年金分割の基礎知識

離婚を考えている方(特に高齢の女性)から「年金分割で半分もらえるの?」と聞かれることがあります。

実際には、配偶者がもらえる年金の半額を受け取れるわけではありません。

今回は、少し制度がややこしい年金分割について、基礎知識を解説します。

 

◆年金分割とは?

年金分割とは、離婚時に婚姻期間中の厚生年金の記録を分ける制度です。主に高齢の専業主婦(夫)が、離婚した後の生活に困ってしまうのを防ぐために設けられています。

しかし、元配偶者が受け取れる年金の「半額」を分けてもらえる制度ではありません。

ポイントは「厚生年金」の「婚姻期間中」の納付記録を分ける点です。

 

◆厚生年金の記録を分ける→自営業者は対象外

年金分割は「厚生年金」の納付記録を分ける制度です。

大まかにいうと、日本の年金は、

  • 全国民が加入する「国民年金」(1階部分、基礎年金)
  • 会社員や公務員が加入する「厚生年金」(2階部分)

に分かれています。

年金分割の対象は、2階部分の厚生年金の納付記録になります。自営業者は厚生年金には加入していないため、対象外です。

したがって、夫が自営業者の場合には、そもそも年金分割を受けられません。

 

◆婚姻期間中の記録を分ける→結婚前は対象外

年金分割は「婚姻期間中」の納付記録を分ける制度です。

分割の対象になるのは婚姻期間中の記録だけであり、結婚前の期間は対象となりません。財産分与において、結婚前に築いた財産が対象にならないのと同様です。

 

◆合意分割と3号分割

年金分割には「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。

合意分割とは、夫婦の合意に基づいて納付記録を分けることです。夫婦が共働きで2人とも厚生年金に加入しているケースや、2008年4月より前に結婚していたケースで利用されます。按分割合は夫婦で話し合いますが、通常は0.5、すなわち均等になります。

3号分割とは、夫婦の一方が「3号被保険者」であった場合の分割方法です。3号被保険者とは、配偶者が会社員や公務員で、自身は専業主婦(夫)あるいは扶養の範囲内で働いていた人をいいます。3号分割においては、話し合いは必要ありません。ただし、3号分割できるのは2008年4月以降の記録に限られます。

 

以上が年金分割に関する基礎知識です。単純に半分に分けるのではないとご理解いただけましたでしょうか?

なお、3号分割だとしても、離婚後2年以内に手続きが必要な点は忘れないでください。詳しい手続きや、合意分割と3号分割の細かい違いについては、機会を改めて解説します。

 

当事務所では、離婚の初回相談は無料です。年金分割に限らず、離婚に関して不安な点をご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.05.23更新

不倫の証拠になるもの

相談で「○○は不倫の証拠になりますか」とたびたび聞かれます。

不倫は、法律上「不貞行為」と呼ばれます。不貞行為とは「配偶者(妻や夫)以外の異性と、自由な意思に基づいて性的関係を持つこと」です。

いくら仲が良くても、性的関係がなければ不貞行為とはなりません。不倫の有力な証拠になるかのポイントは、性行為を証明できるか否かにあります。

具体的に証拠になり得るものとしては、以下が挙げられます。

 

◆メール・LINE

不倫の証拠として、メールやLINEでのやりとりを示す方は多いです。

たしかに、性的関係に言及しているメッセージは有力な証拠になります。しかし、日常的なやりとりだけでは、不貞行為の証拠としては不十分です。

仲の良さだけでなく、性的関係をうかがわせるメッセージがあるかがポイントになります。

 

◆写真・動画

写真や動画も、証拠として真っ先にイメージされるでしょう。

性行為をした場面が直接記録に残っていれば強力な証拠になりますが、そう簡単には入手できないかと思います。2人でホテルから出てきた際の写真や動画も、一般的には性的関係を推測させるため有力な証拠です。

これらに比べると、腕を組んでいる場面を捉えた写真が1枚ある程度では、証拠としては弱くなってしまいます。

 

◆相手が不倫の事実を認めた音声・書面

録音や念書など相手が不倫の事実を認めた証拠があれば、非常に有効です。不倫の事実を認めた際には、記録に残しておくようにしましょう。

もっとも「むりやり署名させられた」などと主張されるケースもあります。感情的になりすぎず、冷静に話すことが重要です。

 

◆興信所・探偵事務所の調査報告書

興信所や探偵事務所が作成した報告書は、強力な証拠になるケースが多いです。

ただし、一般的に調査費用が高額であり、不倫で慰謝料を受け取れたとしても損をしてしまう可能性もあります。これから依頼を考えている方は注意してください。

 

これらの他にも、SNSの投稿、レシート、クレジットカードの利用明細、通話履歴、交通系ICカードの利用履歴、カーナビの検索履歴、ドライブレコーダーの音声などが証拠になり得ます。ただし、性的関係を直接示せず、有力な証拠にはなりづらい場合もあります。もちろん、全く無意味なわけではないので、手元にある証拠は残しておいてください。

なお、証拠を集めたいとの思いが強すぎて、違法行為に及んでしまう方もいます。勝手に他人の住居に侵入したりしないようにしましょう。

 

「何が証拠になるの?」「手元にある証拠で証明できる?」といった疑問をお持ちの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.05.11更新

離婚できる理由は?5つの法廷離婚事由

「○○を理由に離婚できますか」と相談の場でよく聞かれます。

お互いが合意できるのであれば、いかなる理由であっても離婚が可能です。もっとも、一方が拒否するときには、法律上定められた要件(法定離婚事由)を満たさないと離婚が認められません。

法定離婚事由は民法770条各号に規定されています。1号から順にご紹介します。

 

◆ 1号:不貞行為

不貞行為とは、配偶者(妻や夫)以外の異性と自由な意思に基づいて性的関係を持つことです。いわゆる不倫や浮気をイメージしてください。

法律上の不貞行為に該当するためには、性的関係が認められなければなりません。腕を組んだりキスしたりするだけでなく、性行為があったと判断できる必要があります。

現実には、性的関係を直接証明するのは困難です。ラブホテルから出てきた現場の写真や、性的関係をうかがわせるメッセージのやりとりなどがあれば、有力な証拠となります。

十分な証拠がなくても、5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められるケースもあります。

 

◆ 2号:悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、正当な理由なく、同居・協力・扶助という夫婦間の義務に反することをいいます。勝手に家を出て行く、収入があるのに生活費を一切渡さない、といったケースです。

単身赴任のために家を空けているなど、正当な理由があれば該当しません。

 

◆ 3号:3年以上の生死不明

配偶者の生死が3年以上わからないときも離婚できます。警察に捜索願を出したり友人や知人にたずねたりしたにもかかわらず、行方がつかめないケースです。

居場所がわからなくても、手紙や電話などで生きている事実がわかっている場合には該当しません。

なお、7年以上生死不明のときには失踪宣告制度の対象になります(民法30条)。失踪宣告がなされると死亡したとみなされて婚姻関係は解消され、相続が始まります(民法31条)。

 

◆ 4号:回復の見込みがない強度の精神病

配偶者が統合失調症などの重い精神病にかかっていて回復の見込みがなければ、離婚できる可能性があります。

もっとも、精神病になっている配偶者の生活に配慮が必要であるため、4号による離婚は簡単には認められません。

 

◆ 5号:その他婚姻を継続しがたい重大な事由

1~4号のいずれに該当しなくても「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められれば離婚が可能です。

認められる可能性がある例としては、以下が挙げられます。

  • 長期間の別居
  • DV・モラハラ
  • 性の不一致・セックスレス
  • 犯罪行為による服役
  • アルコール・薬物依存
  • 借金・ギャンブル・浪費
  • 過度な宗教活動

単に上記の事情があるだけでなく、それにより夫婦生活が破綻しているかがポイントになります。

とりわけ長期間(数年以上)の別居は、夫婦生活の破綻を裏付けるために重要な要素です。

よく「性格の不一致」が離婚理由として挙げられますが、人間同士である以上、多少性格が合わない事態は生じ得ます。裁判において性格の不一致だけで離婚が認められるのは、よほどの場合だけです。基本的には、他の要素と合わさって離婚の理由となり得るに過ぎません。

 

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。離婚理由があるかでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.04.26更新

離婚後の姓

ご相談の中で「離婚後は旧姓に戻した方がよいでしょうか?」と質問されることがあります。

今回は、結婚の際に女性が夫に姓を合わせていたケースを念頭に置いて、離婚後に姓がどうなるかを解説します。

 

◆離婚後は旧姓に戻るのが原則

婚姻により姓を変えていた人が離婚すると、旧姓に戻るのが原則です(民法767条1項)。多いのは、妻が結婚の際に夫の姓に改め、離婚により元の姓に戻るケースです。

離婚すると姓が変わるだけでなく、戸籍も別になります。妻が親の戸籍に戻るか、妻自身を筆頭者とする新たな戸籍を作成するかのいずれかになります。姓が変わらない夫の戸籍はそのままです。

両親が亡くなっていて戻る戸籍がないときには、新たな戸籍を作るしかありません。また、後述する通り、子の親権者となって子の姓も変えたいときには、新たな戸籍を作成してください。

旧姓に戻るときは、離婚届の該当欄に記入すれば手続きが済みます。

旧姓に戻るメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 夫の姓を名乗らなくて済み、心機一転を図れる
  • 両親から受け入れてもらいやすい

他方で、姓を変えるデメリットもあります。

  • 離婚の事実が周囲に明らかになる
  • 各種名義変更の手続きが面倒である

 

 

◆離婚しても姓を変えたくないなら届出をする

離婚後も婚姻時の姓(夫の姓)をそのまま名乗ることも可能です。

離婚しても姓を変えないときには、離婚の日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を役所に提出しなければなりません(民法767条2項)。期限を過ぎてしまわないように、離婚届と同時に提出するとよいでしょう。

姓を変えないとしても、離婚すれば夫婦の戸籍は別になるため、妻は新しい戸籍を作成します。

姓を変えないメリットは以下の通りです。

  • 離婚を周囲に知られにくい
  • 名義変更手続きをしなくてよい
  • 子の姓を変更せずに済む

他方で、次のデメリットもあります。

  • 夫の姓を名乗ることへの心理的抵抗がある
  • 再婚後に2度目の離婚をした際に、旧姓(生まれたときの姓)には戻れない

 

 

◆離婚後しばらくして姓を変えたくなったら裁判所の許可が必要

離婚して時間が経った後に選んだ姓を変えたくなった場合には、家庭裁判所に申立てて許可を得なければなりません。

変更が認められるには「やむを得ない事由」が必要です(戸籍法107条1項)。一般的な氏の変更に比べると許可は出やすいですが、思い通りに変更できるとは限りません。

 

 

◆離婚後の子どもの姓

離婚時に旧姓に戻した妻が親権者であるときには、子の姓も自分の旧姓にしたいと考えるケースも多いでしょう。

もっとも、子の姓は何もしなければ元のままです。勘違いされている方もいますが、自動的に親権者と同じになるわけではありません。

子の姓も変更したければ、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立て」を行います。子が15歳未満のときは親権者が、15歳以上のときは子本人が申立ててください。許可そのものは簡単に認められます。

許可が出たら、役所に入籍届を提出して、母(元妻)と同じ戸籍に入れます。同じ戸籍に3世代が入ることはできないため、母(元妻)は離婚時に両親の戸籍に戻らず、自分を筆頭者とする戸籍を作っておくようにしてください。

 

 

以上が離婚と姓の関係です。時間が経ってから変更するのは面倒であるため、離婚時によく考えて選択するようにしましょう。

当事務所では、離婚の初回相談は無料としております。姓の問題に限らず、離婚についてお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.03.29更新

離婚の種類

離婚の種類は、手続きの段階によって大まかに以下の4つに分けられます。

 

◆協議離婚

協議離婚とは、夫婦の話し合いによる離婚です。夫婦間で合意して離婚届を出すだけでよいため、特別な費用はかからず手続き自体も難しくありません。離婚全体の9割近くが協議離婚になります(参考:令和4年度「離婚に関する統計」の概況|厚生労働省)。

協議離婚では、合意さえできれば財産分与、養育費などの条件は夫婦間の話し合いで決められます。条件を詰めずに離婚することも可能ですが、トラブルの元になるので避けてください。

決まった条件は必ず書面にして残しましょう。「公正証書」にしておくのがおすすめです。

離婚で公正証書を作成するメリットは、以下の記事で解説しています。

離婚協議の内容を公正証書にするメリット

 

◆調停離婚

調停離婚とは、裁判所における調停で決まった離婚です。調停とは、裁判所で調停委員が間に入ってする話し合いです。調停離婚の割合は全体の1割弱となっています。

法律上、いきなり裁判で離婚を争うことはできず、まずは離婚調停を申立てなければなりません。したがって、協議離婚ができないときには調停を申立てるのが通常です。

調停では、調停委員が間に入って交互に双方の言い分を聞いてくれます。顔を合わせなくてよいため、夫婦ふたりの話し合いよりも冷静になれる点がメリットです。合意すれば判決と同様の強制力を持つ調停調書が作成され、相手が約束を守らない事態にも備えられます。

デメリットは時間を要する点です。調停は1ヶ月に1回程度、平日に行われます。申立てから離婚まで、少なくとも数ヶ月、長ければ1年以上の時間がかかってしまいます。調停はあくまで話し合いであるため、双方が折り合えなければ離婚はできませせん。

 

◆審判離婚

調停離婚が成立しなくても、家庭裁判所の職権による「調停に代わる審判」で離婚が決まるケースがあり、審判離婚と呼ばれます。

細かい点に争いがあるだけであったり、当事者の出頭が難しかったりするケースなどで審判離婚となる可能性があります。ただし、件数としては少ないです。審判が出されても、2週間以内に異議申立てがあると訴訟(裁判)になります。

 

◆裁判離婚

調停離婚が成立しないときには、通常は裁判により離婚が争われます。裁判の判決で決まると裁判離婚となります。裁判離婚となるケースは、全体から見るとわずかです。

裁判離婚が認められるためには、民法770条1項に定められた離婚原因が存在する必要があります。判決が出れば、相手の合意がなくても離婚が可能です。離婚原因が存在しなければ、離婚は認められません。

なお、裁判の途中でも裁判官が間に入った話し合いにより離婚が成立するケースがあり、和解離婚と呼ばれます。また、数は非常に少ないものの、離婚を求められた側が相手の請求を全面的に認めたときは認諾離婚となります。

 

以上が離婚の種類になります。

夫婦間で話がつけば協議離婚ができますが、難しいときには調停など、裁判所を利用した手続きが必要です。裁判所での手続きには時間や手間がかかり、専門知識も必要であるため、自力で行うのが大変であれば弁護士にご相談ください。

当事務所では、離婚の初回相談は無料としております。もちろん、依頼は前提ではなく、ご相談だけでも構いません。離婚に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所