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2024.07.10更新

面会交流の基礎知識

別居・離婚により離れて暮らしているとしても、親である以上は子との「面会交流」ができます。もっとも、面会交流をめぐって両親が争うケースは非常に多いです。

今回は、面会交流とは何か、いかなる内容を決めるかといった基本的な知識を解説します。

 

◆ 面会交流とは?

面会交流とは、未成年の子どもと離れて暮らしている親が、子と会うなどして交流することです。離婚した後だけでなく、離婚前の別居状態のときにも問題になります。

面会交流が認められているのは、子の健全な成長に必要であるためです。たとえ親同士の仲が悪いとしても、子にとっては唯一の父・母である事実に変わりはありません。離れて暮らしているからこそ、面会交流により子が両親の愛情を実感するのが重要になります。

虐待や連れ去りのおそれがあるといった例外的なケースを除いて、子の健全な成長のためには面会交流を行うべきです。親権と異なり、面会交流について定めなくても離婚自体は可能ですが、円滑に行うためには離婚時に取り決めをしておくのが望ましいといえます。

しかし現実には、面会交流に関する争いは後を絶ちません。子を監護している側の親が嫌がるなどして、スムーズに進まないケースがよくあります。

「親の権利(義務)だ」という考えばかりが先走ってしまうと、子どもの都合を無視した争いになってしまいがちです。面会交流においては「子の利益が第一」という視点を頭に入れておいてください。

 

◆ 面会交流の内容・決めること

具体的な面会交流の内容としては、直接会うことがメインです。

直接会う際のルールとして、以下の点を事前に取り決めておく必要があります。

・頻度(例:月1回)

・日時(例:第1土曜日の10:00~17;00まで)

・場所(例:監護していない親の自宅)

・引き渡し方法(例:非監護親の自宅最寄り駅で引き渡す)

・連絡方法(例:親同士のLINE)

・その他(宿泊可能か、学校行事や長期休暇の際のルール、祖父母の立会いの可否など)

直接会う以外に、電話・メールなどでの交流について定めておく場合もあります。プレゼントやお小遣いについて決めておくのもよいでしょう。

あらかじめ一定のルールを定める必要はありますが、子の成長に伴って状況は変化するため、都度見直しするようにしてください。面会交流は子の利益のために行うものである点を忘れないようにしましょう。

 

以上が面会交流に関する基本的な知識です。次回以降、争いになったときの決め方や、面会交流をすべきでないケースなどについて解説していきます。

当事務所では離婚に関する初回相談を無料としております。面会交流についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.06.13更新

親権者を変更できるケースと必要な手続き

離婚の際に決めた親権者を後から変更できるケースがあります。もっとも、両親だけで勝手に決めることはできず、裁判所での手続きを経なければなりません。

今回は、親権者を変更できるケースや必要な手続きについて解説します。そもそも親権とは何かを知りたい方は、以下を参照してください。

参考記事:親権とは?内容や監護権との違い

 

◆ 親権者を変更できるケース

離婚時に決めた親権者は変更が可能です。変更できる例としては、親権者に以下の事情があるケースが挙げられます。

  • 虐待・育児放棄している
  • 重大な病気で子育てを続けるのが難しい
  • 海外転勤で養育環境が大きく変わる

親権者をコロコロ変えるのは子どものためになりません。子どもの利益にかなう場合にのみ変更が認められるのであり、ハードルは必然的に高くなります。たとえば、単に相手の子育て方針が気に入らない、面会交流に応じないといった理由だけで親権者を自分にしてもらうのは困難です。

 

◆ 親権者を変更するための手続き

親権者を変更するためには、裁判所での手続きを踏む必要があります。たとえ両親が合意したとしても、勝手な変更は認められていません。離婚の際には両親の話し合いだけで決められますが、一度決めた親権者を離婚後に変更するときには裁判所への申立てが要求されるので注意してください。

変更を求める際には、裁判所に親権者変更調停を申立てます。調停とは、裁判所でする話し合いです。第三者である調停委員を間に挟んで、親権者を変える理由があるかどうかを、提出された資料などをもとに話し合います。両親の合意があればスムーズに進みますが、対立が激しければ時間を要します。

調停で結論が出ないときには審判に移行し、最終的には裁判官が判断をくだします。

調停や審判で「親権者を変更する」との結論が確定したときは、親権者になった人が役所に届出を提出しなければなりません。

 

親権者の変更を求める際には、変更するだけの十分な理由があると示す必要があります。ご自身だけで進めるのは難しい場合も多いので、弁護士に相談・依頼するのがオススメです。

当事務所では、離婚に関する初回相談を無料としています。アドバイスだけ受けて依頼しなくても構いません。「親権者を変更したい」「変更できるのか知りたい」といった方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.05.08更新

親権の判断基準

離婚後に子の親権者を誰にするかは夫婦間の話し合いで決められますが、最終的には裁判所が判断します。

今回は、裁判所が親権者を決める際の判断基準について解説します。

 

◆ 子どもの利益が最優先

親権を父母のいずれが取得するかは、様々な要素を総合的に考慮して判断されます。何かひとつの基準だけで決まるわけではありません。

以下で個々の判断基準を紹介しますが、基本的な考えは「子の利益になるか」です。両親の都合ではなく、「子どもの成長のためにどうすべきか」との観点から判断されます。

 

◆ 父母側の事情

父母の側の事情としては、以下の要素が考慮されます。

  • これまでの監護状況
  • 現在の監護状況
  • 監護能力(年齢、健康状態、経済力、生活環境、実家の援助、監護意欲、子どもへの愛情の程度など)
  • 面会交流に協力的か

「収入が少ない自分が親権をとれるのか」と気にする方がいますが、相手に養育費の支払い義務が生じる以上、過度に心配する必要はありません。また、不貞行為をした側であっても、子どもへの影響が少ない場合には親権の獲得が可能です。

 

◆ 子ども側の事情

子どもの側の事情としては、以下が挙げられます。

  • 年齢・性別
  • 心身の発育状況
  • 兄弟姉妹との関係
  • 現在の環境への適応状況
  • 環境変化への適応性
  • 父母との結びつき
  • 子ども自身の意思

 

◆ 特に重視される点

考慮要素を網羅的に挙げましたが、特に知っておいて欲しいのは以下の観点です。

 

・監護の継続性

現在監護している親のもとで安定した生活ができていれば、現状が重視されます。環境が変化しないことが子の利益になると考えられるためです。

もっとも、違法に子どもを連れ去って手元に置いている場合には、この限りではありません。

 

・母性優先 

特に乳幼児の場合には母親の役割が重要と考えられており、母が親権を得るケースが多いです。

ただし「必ず母親になる」というわけではありません。性別だけで決めるのではなく、メインで面倒を見ていた側が監護を続けるのがよいと考えられています。

 

・子の意思

一定以上の年齢であれば、子の意思も重要です。

子どもが15歳以上のときには、裁判所が判断する際に子の意見を聴かなければならないと法律上定められています。実務上は、15歳未満であっても、10歳程度以上であれば意思を確認しています。

 

・兄弟姉妹不分離 

兄弟姉妹がいるときには、なるべく親権者を分けない方がよいとされています。兄弟姉妹は精神面のつながりが強いと考えられるためです。

もっとも、長年別々に生活してきた、ある程度成長しているといった状況であれば、あまり重視されません。

 

・面会交流への寛容さ

面会交流に寛容であるかも、ひとつの判断基準とされています。子の成長にとっては、親権者でない親との交流も重要であるためです。

面会交流に協力的な姿勢を示せば、親権獲得のために多かれ少なかれプラスになります。

 

 

以上が親権の判断基準です。様々な要素を紹介しましたが、総合的に判断されるのであり、ひとつの理由だけで決まるわけではありません。気になる方は、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

当事務所では離婚の初回相談を無料としています。「自分は親権をとれるのか」と不安・疑問をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.04.10更新

親権の決め方|決定するまでの流れ

離婚後の親権について法改正の議論が進んでいますが、現在の法律では離婚後は単独親権となります。親権を父母のいずれが取得するか争いになるケースは非常に多いです。

親権が決まるまでの流れは、大まかにいえば「協議→調停→裁判」です。以下で詳しく解説します。

 

◆ 夫婦での協議

まずは、夫婦間の話し合いによって離婚後に親権をどちらが取得するかを決めます。離婚届には親権者を記載する欄があり、親権者を決めないと離婚できません。

夫婦の協議によって決める際には、合意さえできればどちらが親権を取得するかは自由です。「小さい子だから母になる」「母は専業主婦でお金がないから父になる」といったルールはありません。

複数の子がいるときには、全員の親権を片方が持ってもいいですし、「長男は父、長女は母」などと分けることも可能です。

自由であるとはいえ、何より重要なのは子の成長や幸せです。子どもにとって何がよいかを考えて決めるようにしましょう。

 

◆ 調停

夫婦での話し合いがまとまらないときには、裁判所に調停を申立てます。調停とは、裁判所でする話し合いです。調停委員が間に入って別々に話を聞くため、冷静になりやすいです。

親権が争いになっている調停では、調停委員が双方の意見を聞いて調整するほか、家庭裁判所の調査官による調査が入るケースがあります。調査では、父母や子との面接、家庭や学校への訪問などを行い、報告書が作成されます。

ただし、調停はあくまで話し合いであるため、夫婦で合意できなければ親権者は決定しません。

 

◆ 裁判所による指定

調停でも話し合いがまとまらなければ、通常は裁判で決定します。調査官による報告書などを参考にして、最終的には裁判官が父母のいずれが親権者にふさわしいかを判断します。

判断要素は、これまでの養育実績、現状、今後の環境、子の年齢・意思などです。実際には母が獲得するケースが多いものの、父になるケースもあります。

 

以上が、親権が決まるまでの大まかな流れです。夫婦間の協議がまとまらなければ、裁判所を利用する流れになります。判断要素について詳しくは、また機会を改めて解説する予定です。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。親権に関して疑問や悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.03.11更新

親権とは?内容や監護権との違い

離婚する際に親権が争いになるケースは多いです。

今回は、そもそも親権とは何かについて解説します。

 

◆ 親権とは?

親権とは、未成年の子どものために、世話をしたり、財産を管理したりする権利・義務です。子どもが一人前の大人になるために育てる権利・義務といえます。権利だけでなく、義務でもある点がポイントです。親権は、子どもの利益になるように行使しなければなりません。

2022年から成人年齢が18歳に引き下げられていますので、現在親権は18歳未満の子に対して行使できます。

親権者は基本的に父母です。結婚している間は、父母が協力して親権を行使します。

もっとも、離婚した後には単独親権とされ、片方の親だけが親権者となります。法改正の議論も進んでいますが、現在のルールでは離婚後の共同親権は認められておらず、親権者を決めないと離婚できません。一方にしか認められないがゆえに、親権をめぐって離婚時に争いになるケースは非常に多いです。

親権の内容は、大きく「財産管理権」と「身上監護権」に分けられます。それぞれについて詳しく解説します。

 

◆ 財産管理権

子の財産を管理する権利・義務です。親権者は、預金などの財産を管理するとともに、財産に関する法律行為を代わりに行います。

たとえば、お年玉や祖父母から子に贈与された財産を管理する、子どもの代わりにスマートフォンの利用契約をするといった行為が可能です。

 

◆ 身上監護権

子どもの世話や教育をする権利・義務です。親が子を身体的に保護するとともに、教育によって精神的に成長させる必要があります。民法では、子の住む場所を決められる「居所指定権」や子が仕事をする際の「職業許可権」も定められています。

以前は「懲戒権」も定められていましたが、児童虐待を正当化する根拠になっているとの批判があり、2022年の法改正により削除されました。また、かつては未成年者が結婚する際の同意権がありましたが、婚姻可能年齢が男女とも18歳となり成人年齢と同じになったため、削除されています。

 

◆ 親権者と監護権者は別にできる?

監護権は親権の一部です。ただし、離婚する際には、親権者とは別に監護権者を定める方法もとれます。そのため、争いがあった際に「親権者(財産管理)は父、監護権者は母」といった解決が提案されるケースもあります。

とはいえ、子どもの利益を考えると、普段世話をしている親が財産管理も含めて親権を行使するのが、スムーズであり望ましいです。裁判所においては、親権者と監護権者を分けるのを認めない傾向にあります。

 

以上が親権に関する基礎知識です。今後、親権の判断基準などについても詳しく解説します。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。親権についてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.02.22更新

離婚時に決めること(子ありの場合)

未成年のお子さんをお持ちの方が離婚する場合、財産分与や慰謝料などのほかに、子どもに関して決めなければならないポイントがあります。

主に以下の3つの点について、夫婦で話し合いましょう。

 

①親権者

夫婦のどちらが子どもの親権者となるかを決めなければなりません。法改正の議論は進んでいますが、現在の法律では離婚後の親権者は父母の片方だけとされています。

親権はお金と異なり分けられないため、特に争いが激しくなりやすいです。夫婦で話し合いがまとまらないときには、調停など裁判所での手続きで決めます。

判断要素は様々ありますが、子どもにとってどちらが親権者になるのがよいかがポイントです。実際には母親が親権者になるケースが多いものの、父親の方がふさわしい場合もあります。

離婚届には親権者の記載欄があり、決めないと離婚できません。なお、離婚後の親や子の姓については、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:離婚後の姓

 

②養育費

養育費の定めも必要です。子どもを引き取らなかった親にも、養育にかかる食費、学費、医療費などのお金を負担する義務があります。

養育費に関しては、以下の点を決めておきましょう。

  • 1ヶ月あたりの金額
  • 何歳まで支払うか
  • 支払方法

養育費をいくらにするかも争いになりやすいポイントです。両親の年収・子供の年齢・人数に応じて、裁判所が算定表を公表しています。参考にするとよいでしょう。

参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所

また、離婚後に養育費が支払われずにトラブルになるケースも多いです。合意内容を公証役場で公正証書にしておくと、トラブル予防になります。

参考記事:離婚協議の内容を公正証書にするメリット

 

③面会交流

離婚後の面会交流についても定めておきましょう。離婚しても、親子である事実は変わりません。離れて暮らす親も、子と会う権利を有しています。

面会交流に関しては、以下の点を決めましょう。

  • 時間、頻度
  • 場所
  • 子の引き渡し方法
  • プレゼント・宿泊・学校行事など、その他のルール

親権者が決まっても、面会交流の方法をめぐってトラブルになるケースが少なくありません。子どものことを考えて、十分に話し合って決めてください。

 

以上が離婚時に子どもに関して決めておくべき事項になります。それぞれについて詳しくは、次回以降に解説します。

幼い子どもがいると、離婚の際に特に揉めやすいです。当事務所では離婚の初回相談を無料としております。子持ちで離婚に関してお悩みであれば、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.01.15更新

離婚届を勝手に出されないように「不受理届」を提出しましょう

「相手が離婚したがっており、勝手に離婚届を出されないか不安」とお悩みではないですか?

離婚届を勝手に提出しても法律上無効です。もっとも、いったん受理されてしまえば、離婚が無効であるとして戸籍を訂正するまでに大変な手間がかかります。

そこで、あらかじめ「不受理届」を提出しておくのが効果的です。

今回は、離婚届を勝手に出されそうなときに有効な「不受理届」について解説します。

 

◆ 離婚届を勝手に出されたらどうなる?

相手が離婚を強く望んでいる場合や、親権を激しく争っている場合などで、勝手に役所に離婚届を提出されてしまう可能性があります。署名を偽造されるケースはもちろん、ケンカの勢いで離婚届に必要事項を記載していたケースでも注意が必要です。

離婚には夫婦双方の意思が要求されます。勝手に離婚届を提出しても法律上は無効です。相手に有印私文書偽造罪などの犯罪が成立する可能性もあります。

もっとも、役所の窓口では記載事項に関する形式的なチェックしか行われません。書面上問題がなければ、離婚が受理されて戸籍が変更されてしまうのです。

いったん離婚届が受理されてしまうと、元に戻すのは大変です。裁判所での調停や訴訟により、離婚が無効だと争わなければなりません。

 

◆ 離婚届を勝手に出されそうなら不受理届を提出する

離婚届が出されてからでは訂正するのが面倒です。そこで、あらかじめ「不受理届」を提出しておくのが有効な方法になります。

離婚届の不受理を申し出ておけば、提出した本人が窓口に出向かない限り、離婚届は受理されません。相手に勝手に提出される心配がなくなります。

不受理届に有効期限はありません。後で取り下げることは可能です。提出した事実は相手に通知されませんが、勝手に離婚届を出そうとした際には発覚します。。

提出先は、本籍地や住所地などの役場です。書式は役所のホームページや窓口で入手できます。原則として、窓口に直接出向かなければなりません。本人確認書類を忘れないようにしましょう。

詳しくは、各自治体にお問い合わせください。京都市の場合にはこちらが参考になります。

 

以上が不受理届の概要です。相手が離婚を強く望んでいる場合には、提出しておいた方が安心といえます。

当事務所では、離婚に関する初回相談を無料としております。相手に離婚を迫られていてどう対処すればいいかお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.12.13更新

離婚調停を弁護士に依頼するメリット

「離婚調停は弁護士に依頼した方がいいの?」と聞かれることがあります。

離婚調停に弁護士が関わる割合は年々増加しており、2021年のデータでは、片方または双方に弁護士がついた事件が6割です(弁護士白書2022年版|日本弁護士連合会)。

弁護士に依頼した方が、離婚調停をスムーズに進められます。具体的なメリットは以下の3つです。

 

◆ 有利な解決に導きやすい

弁護士がついた方が、離婚調停を有利に進められる可能性が高いです。

ご自身だけで調停に出席すると、緊張して思いを伝えられない、あるいは感情的になり過ぎるといった事態が生じます。調停委員に悪い印象を与えれば、話し合いが相手に有利な方向に進みやすいです。調停委員に押し切られて、納得できないまま最終的な調停条項に同意してしまうと、取り返しがつきません。

弁護士は調停に同行しますので、主張を代弁したり、皆様の発言にフォローを加えたりできます。主張を法的に整理して伝えれば、調停委員の印象も良くなりやすいです。無理やり相手の主張を飲まされる心配もありません。

財産分与など離婚に伴う金銭問題や、親権など子どもに関する取り決めについてより良い結論を目指すのであれば、弁護士をつけるのがオススメです。

 

◆ 手続きにかける時間を減らせる

離婚調停では、裁判所が要求する書類や証拠を提出しなければなりません。必要書類の収集や作成に時間をとられてしまい、日常生活に支障が出る方も多いです。申立て等の手続きも、慣れていないと負担に感じるでしょう。

弁護士がついていれば、書類作成や裁判所とのやりとりの多くを任せられます。面倒な事務作業から解放されるため、普段の生活への影響を抑えられます。

 

◆ 精神的負担を軽減できる

離婚調停によって、精神的に追い詰められる方は少なくありません。離婚という人生の一大事についてトラブルになっているだけでなく、慣れない調停の手続きがストレスになるためです。

弁護士は皆様の味方です。手続きや相手方・裁判所とのやりとりを任せられるため、精神的にも安心できるでしょう。相手に弁護士がついているときでも、気後れせずにすみます。

精神的なストレスを軽減したい方にとっても、弁護士をつけるメリットが大きいです。

 

以上が離婚調停を弁護士に依頼するメリットになります。もちろん、弁護士をつけるかどうかは自由です。ご自身の状況や費用を踏まえてご検討ください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。相談だけで、依頼しなくても構いません。離婚に関して疑問や悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.11.27更新

離婚調停の服装や持ち物

離婚調停の当日にどう臨めばいいかについて、悩まれる方は多いようです。法律相談でも「服装はどう選べばいいの?」「持ち物は何?」といった質問をよく受けます。

今回は、離婚調停の服装や持ち物について解説します。

 

◆ 離婚調停の服装(男性の場合)

離婚調停における服装に決まりはありません。とはいえ、常識的な服装をしていくべきです。常識から外れた服装で出席すると、調停委員からマイナスの印象を抱かれるおそれがあります。

男性の場合は、スーツを着ていくのが無難です。わざわざ新調する必要はありませんが、普段着で行くにしても、清潔感のある服装を心がけてください。穴の空いたジーンズやサンダルなど、カジュアルすぎる服装は避けましょう。髭もきれいにしておくとよいです。

 

◆ 離婚調停の服装(女性の場合)

女性の場合も、常識的な服装をする点は変わりません。スーツを着ている方は少数です。オフィスに着ていく服装をイメージするとよいでしょう。

気をつけて欲しいのが、高級ブランドの服やカバンです。養育費や財産分与を求めているのに、お金があると思われてしまう見た目だと説得力がありません。

調停委員は50~60代の方が多いため、メイクは派手すぎず、髪の色も明るすぎない方が無難です。

 

◆ 離婚調停の持ち物

離婚調停には以下のものを持っていくとよいです。

  • 裁判所から届いた書類(呼出状など)
  • 裁判所に提出した書類のコピー
  • 証拠書類(写真、診断書など示したいものがある場合)
  • 自分の言い分をまとめたメモ
  • 振込先口座がわかるもの(通帳など)
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑(実印である必要はない)
  • 筆記具・メモ帳(録音・録画は不可)
  • スケジュール帳(次回期日の予定調整に必要)
  • 待ち時間をつぶせるもの(本・雑誌など)

他にも、裁判所から指示されたものがあれば持参してください。

 

以上が離婚調停の服装や持ち物になります。服装は、調停委員の印象を損ねないことを意識してください。持ち物は、何か忘れたからといって直ちに不利になるわけではないので、裁判所の指示に従っていれば問題ありません。

 

調停は非公開の話し合いであるとはいえ、裁判所に行ったことがない方が大半であり、緊張されるかと思います。不安な点は弁護士にご相談ください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。離婚調停にひとりで臨める自信がない方や、些細であっても気になる点がある方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.10.23更新

離婚調停の流れ~申立てから離婚成立まで

離婚調停は、離婚に関する裁判所での話し合いです。夫婦だけでの話し合いが難しいときにも、調停委員を間に挟むと話が進むケースが少なくありません。

離婚調停に不安を抱える方は多いでしょう。一般の方であれば裁判所に行く機会は少ないため、不安に感じるのは無理もありません。

少しでも安心して臨んでいただくために、今回は離婚調停の流れを解説します。

 

◆ 申立て

離婚調停の申立ては、申立書と必要書類を家庭裁判所に提出して行います。

申立書の書式は、裁判所のホームページで入手できます。

必要書類は戸籍謄本などです。年金分割を求める際には「年金分割のための情報通知書」が必要ですが、時間がかかるので早めに取得しておきましょう。

参考記事:年金分割の手続き|2年以内に請求を!

 

原則として、提出先は相手の住所地を管轄する家庭裁判所です。たとえば、相手が京都市に住んでいれば京都家庭裁判所(本庁)となります。管轄裁判所のホームページをチェックして、必要書類や書式を確認してください。

参考:京都家庭裁判所における手続案内

 

◆ 呼出状の送付

申立てをすると、当事者双方に呼出状が届き、第1回期日の日時などがわかります。第1回期日は申立てから1~2ヶ月後に指定されます。当日の予定を空けておくようにしてください。

調停は平日の昼間に開かれるため、どうしても都合がつかない場合もあるでしょう。指定された日に出席できない場合には、早めに裁判所に連絡してください。

 

◆ 調停期日

調停当日は、指定された時間に裁判所に出向きましょう。受付をすませて待合室で待機していれば、調停委員が呼びに来ます。待合室は相手とは別です。

調停では、当事者が交互に呼ばれて調停室に入り、調停委員と話をします。法廷ではなく、会議室のような部屋で行いますので、過度に身構える必要はありません。調停委員は、双方に相手の主張内容を伝えます。

一般的には、30分ずつ交互に呼ばれ、双方が2回ずつ調停委員と話し、計2時間程度になるケースが多いです。一方の時間が長い場合や、3時間程度に及ぶ場合もあります。

調停の最後に、次回の予定が調整されます。ペースとしては、1ヶ月~1ヶ月半に1回程度です。

 

◆ 調停終了

双方が離婚することや離婚の条件で合意すると、調停成立です。合意内容が調停調書にまとめられます。調停調書は判決と同様の効力を有し、強制執行も可能です。調停終了後には、離婚届を役所に提出する必要があります。

調停はあくまで話し合いなので、双方が合意できなければ不成立となって終了します。不成立となったときには、離婚訴訟の提起が可能です。

参考記事:離婚の種類

 

以上が離婚調停の大まかな流れになります。

離婚調停は、自力で進めることも可能です。もっとも、うまく主張を伝えられなかったり、不利な条件を受け入れてしまったりするリスクがあります。弁護士への依頼もご検討ください。

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投稿者: 松村法律事務所