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2025.03.25更新

交通事故の入院雑費

交通事故により入院すると、治療費以外にも、日用品や新聞・雑誌などにお金がかかる場合があるでしょう。入院に際して必要な諸費用は「入院雑費」として相手方に請求できます。

今回は入院雑費について解説します。

 

◆ 入院雑費とは?

入院していると、治療費の他にも、衣類、洗面具、電話、新聞・雑誌など様々な支出が生じます。入院中に支出する諸費用は「入院雑費」と呼ばれます。

入院雑費に含まれる代表的なものは以下の通りです。

  • 日用品雑貨費(寝具、衣類、洗面具、食器、ティッシュなど)
  • 栄養補給費(栄養ドリンクなど)
  • 通信費(電話代、切手代など)
  • 文化費(新聞雑誌代、テレビレンタル代など)
  • 家族通院交通費(付添人交通費は別途請求可能)

入院に際して要したこれらの費用は、相手方に対して請求できます。

 

◆ 入院雑費の金額

入院雑費には様々なものが含まれるうえ、それぞれの金額はさほど大きくはありません。にもかかわらず個々に領収書等を提出して証明するとなると、双方にとって金額の割に大きな手間がかかります。

そこで、入院雑費は通常は定額とされています。基本的に個別に支出を証明する必要はありません。

自賠責保険基準においては、入院雑費は1日1,100円です。それ以上の支出が必要であったと証明できたときには、実費の支払いを受けられます。

裁判基準(弁護士基準)においては、入院雑費は1日1,500円です。これよりも高額な支出をしたときには、必要かつ相当であれば支払いが認められる可能性も存在します。

自賠責基準と裁判基準との差は1日400円であり、それほど大きくないと思われるかもしれません。とはいえ、入院期間が長くなれば数万~10万円程度の差が出てきます。

 

◆ 将来雑費

症状固定後にも、将来にわたって介護用品(紙おむつ、ゴム手袋等)の費用を要する場合があります。将来雑費についても、個々の状況に応じて支払いが認められる可能性があります。

 

以上が入院雑費に関する基礎知識です。賠償額全体から見ると、入院雑費が占める割合は低いです。とはいえ、入院が長引いているケースなどでは、無視できない金額になります。そもそも入院を要するほど重いケガをしている以上、賠償総額が大きく、弁護士に依頼する必要性は高いでしょう。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。交通事故によるケガで入院された方やご家族の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2025.03.13更新

有責配偶者からの離婚請求

「不倫した側から離婚は請求できるの?」と聞かれることがあります。

不貞行為をして離婚の原因を作った人(有責配偶者)から離婚を求めることは可能です。ただし、通常の離婚よりもハードルが高くなります。

今回は、有責配偶者からの離婚請求について解説します。

 

◆ 有責配偶者とは?

有責配偶者とは、自ら離婚の原因を作った配偶者(夫や妻)のことです。不貞行為は法定離婚事由に該当するため、不貞をした人は有責配偶者にあたります。

法定離婚事由については、以下の記事をお読みください。

参考記事:離婚できる理由は?5つの法定離婚事由

 

◆ 有責配偶者から離婚できる?

有責配偶者から離婚を請求したとしても、相手が応じるのであれば離婚は可能です(協議離婚)。また、裁判所で調停を行い、話し合いがまとまった場合にも離婚できます(調停離婚)。

調停でも離婚できないときは裁判により争われますが、裁判では有責配偶者からの離婚請求は簡単には認められません。離婚の原因を作ったにもかかわらず、「不倫相手と結婚したい」などと考えて離婚を要求するのはあまりに身勝手であるためです。次に説明する通り、通常の離婚よりも厳しい条件を満たす必要があります。

離婚の種類について詳しくは、以下の記事をお読みください。

参考記事:離婚の種類

 

◆ 有責配偶者からの離婚が認められる要件

判例上、有責配偶者からの離婚請求は以下の3つの要件を満たした場合に限って認められます。

 

①別居が長期間に及んでいる

別居期間が10年以上になっていると、長期間だと認められやすいです。5~7年程度であっても、年齢や同居期間と比べて別居期間が長いといえれば、要件を満たすと判断される可能性があります。

 

②未成熟の子がいない

「未成熟」といえるかは、年齢だけでなく社会的・経済的に自立しているかを考慮して判断されます。高校生以上の場合には、今後の養育期間が短いと考えられ離婚が認められる可能性があります。成人であっても障害を抱えていて自立が難しいときには、未成熟の子と判断されやすいです。

 

③離婚により相手方が極めて苛酷な状態におかれることがない

離婚された側が経済的に厳しい状況におかれないかどうかが主なポイントです。十分な財産分与や養育費により、離婚された側が苛酷な状態におかれないといえれば、離婚が認められやすくなります。

 

以上が有責配偶者からの離婚請求に関する基礎知識です。実際に離婚が可能であるかはケースバイケースです。ご自身の場合はどうか知りたい方は、弁護士にご相談ください。

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。お悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所