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2024.09.24更新

交通事故で使える保険

交通事故では、様々な保険を利用できる可能性があります。使い方によってご自身に有利になる場合もあるため、保険の知識は思いのほか重要です。

今回は交通事故で使える保険の種類、各保険の概要をご紹介します。

 

◆ 自賠責保険

まず知っておきたいのが自賠責保険です。自賠責保険への加入は、すべての自動車に義務付けられています。事故に遭った場合、相手方が加入している自賠責保険から支払いを受けられます。

限度額は次の通りです。

・死亡                 :3000万円

・後遺障害          :75万円~4000万円(等級による)

・傷害                 :120万円

強制保険であるため、補償内容は最低限です。対人のみの補償であり、物損は対象ではありません。自賠責保険でカバーできない損害については、他の保険を利用します。

 

◆ 任意保険

自賠責保険でまかなえない損害をカバーするために加入するのが任意保険です。

相手方が加入している任意保険の「対人責任賠償保険」や「対物賠償責任保険」から、自賠責の対象外となる損害について補償を受けられます。

また、自分が加入している任意保険から支払いを受けるとよい場合もあります。一般的な保険内容は以下の通りです。

 

・人身傷害保険

過失にかかわらず、死亡・ケガにより生じた損害に応じた金額を補償

・搭乗者傷害保険

死亡・ケガに対して定額で支払われる見舞金

・無保険車傷害保険

保険に加入していない車との事故やひき逃げ事故による死亡・後遺障害への補償

・車両保険

自分の車の損害に対する補償

・弁護士費用特約

弁護士の相談料、依頼費用を負担

 

これらのうち、よく利用されるのは人身傷害保険や弁護士費用特約です。

(参考記事)

交通事故での弁護士特約の使い方

弁護士特約のメリット・デメリット

弁護士特約が使えないケース|使えないときの対処法も解説

 

◆ 健康保険

交通事故でも健康保険が使えます。

健康保険を利用するメリットとしては、過失があるときに自己負担額を抑えられる、上限がある自賠責保険において治療費を圧縮できるといった点が挙げられます。

病院によっては「交通事故に健康保険は使えない」と言われる場合もあるようです。しかし、実際には「第三者行為による傷病届」を提出すれば健康保険を利用できます。

なお、次に紹介する労災保険の対象となる場合は、健康保険は使えません。

 

◆ 労災保険

業務中あるいは通勤中の事故については、労災保険が利用できます。

自賠責保険も使えるときは、通達では自賠責保険から先行して利用するものとされていますが、実際には労災保険から利用しても構いません。

慰謝料など、労災保険では補償されない部分もあります。しかし、過失に関係なく支払いを受けられる、治療費の上限がないといったメリットが存在します。うまく活用すれば利用価値が高いです。

 

 

以上が交通事故で使える保険の種類と概要になります。

状況によって各保険を効果的に活用すると、最大限の補償を受けられます。とはいえ、相手方が親切に教えてくれるわけではありません。弁護士にアドバイスを受けるのがオススメです。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。保険をどのように使えば有利かを知りたい方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2024.09.12更新

面会交流調停の流れ

面会交流について父母だけで決められないときは、面会交流調停の場で話し合いができます。

今回は、面会交流調停の流れについてご説明します。

面会交流に関する基本的な事項については、以下の記事をお読みください。

参考記事:面会交流の基礎知識

 

◆ 面会交流調停とは?

面会交流調停とは、面会交流を行うか否か、行うとしてルールをどうするかを裁判所における話し合いで決める手続きです。

面会交流については、まずは父母の間で話し合いをします。父母だけで決められない場合の方法として一般的なのが、面会交流調停です。離婚後だけでなく、離婚前の別居期間中でも申立てができます。

面会交流調停の件数は、父親の育児参加や当事者の意識の高まりなどを背景に増加傾向にあります。

 

◆ 面会交流調停の流れ

面会交流調停は、おおむね以下の流れで進みます。

 

  • 申立て

一般的には、現在子と別居している側の親(非同居親)が、子と暮らしている親(同居親)に対して申立てます。同居親からの申立ても可能です。

申立て先は、通常は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。たとえば、相手方が京都市に住んでいれば、京都家庭裁判所(本庁)になります。管轄裁判所はこちらのサイトから確認できます。

申立ての基本的な必要書類・費用は以下の通りです。

・申立書(書式・記入例

・子の戸籍謄本

・収入印紙1200円分(子1人につき)

・連絡用の郵便切手(種類・枚数は裁判所により異なる)

その他、裁判所によって提出書類が定められています。京都家庭裁判所については、こちらのサイトの「面会交流」の箇所をご確認ください。

 

  • 調停当日

調停は、男女各1名の調停委員を介して行われます。平日に2時間程度の枠をとり、30分程度ずつ交互に話を聞くのが通常です。時間が延びたり、片方の話を聞く時間が長かったりする場合もあります。基本的に当事者同士は顔を合わせません。

調停が行われるのは、法廷ではなく、会議室のような場所(調停室)です。過度に身構える必要はありません。

調停の終わりに次回の日程を決めます。頻度は通常1か月~1か月半に1回です。一般的には、終結するまで半年~1年程度かかります。

 

  • 調査官調査、試行的面会交流

調停と並行して、家庭裁判所調査官による調査が行われる場合も多いです。家庭裁判所調査官は行動科学の専門家であり、当事者・子との面談や家庭訪問などを行い、調査報告書が作成されます。

「試行的面会交流」が実施される場合もあります。これは、家庭裁判所の児童室などで、調査官が関与している中で非同居親と子が交流を行うものです。単に非同居親が子と会う機会になるだけでなく、調停やその後の審判の結果に大きな影響を与えます。

 

  • 調停の終了

話し合いの結果、面会交流のルールが決まれば合意事項を書面にして終了となります。作成した書面は「調停調書」と呼ばれ、具体的なルールが記載されていれば強制執行(間接強制)も可能になる効力を有します。

話し合いがまとまらなければ調停は不成立です。審判手続きに移行し、裁判官による審判(判決のようなもの)が下されます。審判内容に不服があれば、不服申し立ても可能です。

 

以上が面会交流調停の大まかな流れです。決定事項が守られなかった場合にとれる手段については、今後改めて解説します。

当事務所では、離婚に関する初回相談を無料としております。面会交流について話し合いができずにお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所