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2023.01.20更新

後遺障害とは?後遺症との違いは?

交通事故でケガを負った方から、たびたび「後遺症が残っているのに等級が認定されなかった」とご相談を受けることがあります。

事故による症状が残っているにもかかわらず後遺障害の等級が認定されないのでは、納得がいかないのもごもっともです。

交通事故で「症状があるのに等級認定されない」という問題が生じるのは、「後遺症」と「後遺障害」で言葉の意味が異なるためです。
一般的に同じ意味で用いられているケースも多いため、誤解が生じやすくなっています。

簡単にいえば、「後遺症」の一部しか「後遺障害」とは認められません。

詳しく説明すると、それぞれの言葉の意味は以下の通りです。

・後遺症とは
後遺症とは、ケガの治療をしても完全には元の状態には戻らずに、身体や精神に何らかの症状が残ってしまうことです。
寝たきり、手足の切断など、他人から見てわかる変化は、もちろん後遺症に該当します。それだけでなく、痛み・しびれ、記憶障害など、一見してわからない症状であっても後遺症にあたります。
比較的なじみのある言葉であり、一般の方だけでなく、医師であっても「後遺症が残る」という言い方をするでしょう。しかし、「後遺症」は、交通事故における「後遺障害」とイコールではありません。

・後遺障害とは
交通事故における「後遺障害」は、「後遺症」の一部だけを指す言葉です。
具体的には「それ以上治療しても改善が見込めない状態」(「症状固定」といいます)になった時点の症状について、次の条件を満たすと「後遺障害」となります。

 交通事故と因果関係がある
 労働能力が低下・喪失している
 自賠責保険で定められた症状に該当する

認定機関がこれらを満たすと判断したときだけ、後遺障害の等級認定がおります。
等級は1級から14級に分かれており、どれにも当てはまらないと等級非該当となってしまいます。

たとえば、むちうちにより痛み・しびれの自覚症状が残っていても、後遺障害の要件を満たさずに等級非該当とされるケースは多いです。

症状にもよりますが「後遺障害」の認定ハードルは思いのほか高いとお考えください。

「後遺症」があっても「後遺障害」が認定されないケースは珍しくありません。
そもそも、医師でさえ両者の違いを十分に認識していない場合があります。
後遺障害について疑問がある方は、弁護士へご相談ください。
申請書類の内容によって認定の判断が分かれる可能性もあり、どの弁護士に相談・依頼するかは重要です。

当事務所の弁護士は交通事故に精通しており、後遺障害の認定基準や申請のポイントを熟知しています。
ご相談の際には、認定の見通しや認定結果の妥当性についてアドバイスが可能です。
また、当事務所では、外部の画像鑑定専門医に依頼しての画像鑑定、後遺障害等級認定に関する専門医の意見書取得も可能です。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。
後遺障害だけでなく、保険会社とのやりとり、賠償金の妥当性などに悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2023.01.10更新

離婚慰謝料の相場と金額を決める要素について

離婚の原因が不倫、DV(暴力やモラハラ)などであれば、慰謝料が発生します。

慰謝料とは、離婚により生じる精神的な苦痛に対する賠償金です。
厳密にいうと、離婚の慰謝料には次の2つの性質があります。

●離婚して妻・夫の地位を失うことに対する慰謝料
●離婚の原因となった行為(不倫、DVなど)に対する慰謝料

実際に請求する際には、まとめて「離婚慰謝料」として扱われ、2つの違いはさほど意識されていません。

離婚のご相談では、よく「慰謝料はいくらになりますか?」と聞かれます。
離婚慰謝料の相場は、おおよそ100万円から300万円程度です。
もっとも、100万円に届かないケースもありますし、まれに交渉の結果、500万円を超える慰謝料額になるケースもあります。
金額を決める要素、要因は様々ありますが、主なものは以下の通りです。

① 離婚の原因となった行為の内容
離婚原因となった行為(不倫、DVなど)の中身によって慰謝料が変動します。より深刻な行為に及んでいれば金額は大きくなります。
たとえば不倫であれば、夫婦の婚姻期間の長さ、夫婦の間に子供がいるか、不倫相手との間に子どもをもうけたか、などがポイントです。

② 婚姻期間
婚姻期間が長ければ長いほど、慰謝料額は増加しやすくなります。連れ添っている期間が長ければ、離婚の際の精神的なダメージがより大きくなると考えられるためです。

③ 子どもの有無
夫婦間の子の有無も要素のひとつです。とりわけ「幼い子がいるのに不倫をした」といったケースの方が金額は増えやすくなります。また、不貞相手との間に配偶者が子をもうけた場合も、慰謝料増額の要素になります。

※支払い能力
 支払う側の年収や資産状況は、訴訟での慰謝料額の認定の場面で、慰謝料額そのものに大きく影響するものではありません。しかし、離婚調停や離婚協議の話し合いの中では、相手に支払い能力が無い場合は、請求金額を下げざるを得なかったり、分割払いに応じざるを得ないなどの譲歩が必要になるケースがあります。
 分割払いで合意し途中で支払いが滞るリスクを考え、一定程度減額した上で、分割でなかく一時金として慰謝料支払いを受けるなど、被害者側が譲歩をしなければならない場合がありうるということは、頭に入れておかなければいけません。
 もちろん、配偶者に資力が無くても、不貞相手には資力があるというケースもありえます。その場合は、配偶者に離婚慰謝料を請求するという方針ではなく、不貞相手に「不貞慰謝料」を請求するという方法で慰謝料の回収を図ることを考えることになります。

以上が離婚慰謝料の主な算定要素になります。

離婚慰謝料に大まかな相場はあるものの、実際に受け取れる金額はケースバイケースです。詳しいお話を伺ってみないと、具体的な金額の見通しをお示しするのは難しい面があります。
また、離婚慰謝料は他の離婚の諸問題と絡む問題です。つまり、離婚の場合は慰謝料だけでなく、夫婦財産の清算としての財産分与の問題も解決が必要となるため、離婚慰謝料と財産分与の総額でどれくらいの金額を回収することを目指すのかという視点も必要になってくるのです。

当事務所では、離婚の初回相談は無料としております。慰謝料相場はもちろん、財産分与や親権、養育費など離婚に関する様々なお悩みにお答えいたします.

まずはお気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所