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2025.08.27更新

婚姻費用の相場

「婚姻費用の相場はいくらぐらいですか」と相談されることがあります。婚姻費用は離婚まで毎月発生し金額が大きいだけに、離婚紛争においては重要なポイントのひとつです。

今回は、婚姻費用の相場を解説します。

 

◆ 婚姻費用の相場は算定表でわかる

婚姻費用の金額は、夫婦で合意できればいくらとしても構いません。もっとも、現実にはなかなか難しいでしょう。

婚姻費用の相場は、夫婦の年収や子どもの人数・年齢に応じて決まります。細かい計算式もあるのですが、慣れていない方にとって計算は簡単ではありません。実際には、裁判所が公表している算定表をもとにするケースが多いです。

算定表は子の人数や年齢に応じて分かれているため、まずはご自身に合った表を探してください。

たとえば、以下のケースで見ていきましょう。

・夫の年収:500万円(給与所得)

・妻の年収:100万円(給与所得)

・子:2人(10歳と5歳)

・妻が子2人を連れて別居した

 

このケースでは、子2人でともに0~14歳であるため、表13を使用します。婚姻費用を支払う夫が「義務者」、受け取る妻が「権利者」となります。

義務者の給与500万円と権利者の給与100万円が交わる部分を見ると「10~12万円」です。これが婚姻費用(月額)の目安になります。

年収は、給与所得者(会社員・アルバイト・パートなど)については源泉徴収票や課税証明書、自営業者については確定申告書で確認しましょう。

 

◆ 婚姻費用の相場から調整が必要になるケース

算定表の金額はあくまで目安であるとはいえ、基本的には算定表にしたがって婚姻費用を決めるケースが多いです。たしかに家庭ごとに生活に必要な費用は多少異なりますが、通常は細かな事情は考慮されません。

ただし、子が私立学校や学習塾に通い教育費が高い、子の病気で高額の医療費がかかるといった事情があれば、調整が必要です。また、権利者(受け取る側)が無職であるものの、働こうと思えば働けるはずであるときは、潜在的稼働能力が考慮されるケースもあります。

 

以上が婚姻費用の相場に関する基礎知識です。子が4人以上の場合など、算定表が用意されていないケースもあります。弁護士であれば正確な金額を計算できるので、ご相談ください。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。婚姻費用についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所

2025.08.11更新

過失割合に応じた賠償金の計算方法

交通事故では、過失割合によって相手に請求できる賠償金が大きく変わります。今回は、過失割合がどう賠償金の計算に影響してくるかについて、いくつかの例をもとに解説します。

 

◆ 「10対0」のとき

加害者に100%の過失があるときは話が単純です。被害者は、自身に生じた損害額をすべて加害者に請求できます。

ただし、過失がないケースでは、被害者が任意保険に加入していても保険会社の示談代行サービスを使えません。適正な賠償を受けるために、弁護士に依頼する必要性が高いです。

 

◆ 「9対1」のとき

加害者に9割、被害者に1割の過失があるときは、被害者が請求できる賠償金が減額されてしまいます。たとえば100万円の損害があっても、過失の1割が差し引かれるため、請求できるのは「100万円×0.9=90万円」です。

同じ事故で加害者にも50万円の損害が生じていれば、加害者から被害者にも過失分の1割を請求できます。すなわち、「50万円×0.1=5万円」の請求が可能です。(被害者が任意保険に加入していれば実際に負担するのは保険会社です。)

このとき、双方がそれぞれ90万円、5万円を相手方に支払う場合もあれば、差し引き85万円を加害者が被害者に支払う場合もあります。

 

◆ 「9対0」のとき

通常、過失割合は足して10になりますが、「9対0」のように足して10にならない場合もあります。「片側賠償(片賠)」と呼ばれる、加害者が請求権を放棄したケースです。

被害者の損害額が100万円であれば、加害者に請求できるのは90万円となり、この点は「9対1」のケースと同じです。ただし、片側賠償では加害者から被害者への請求は行われません。

片側賠償とすれば、被害者が賠償金を支払う必要はなくなります。加入している任意保険を使わずにすみ、保険等級が下がらず保険料が上がらない点がメリットです。また、高級車に乗っていたなど加害者側の損害が大きいと、被害者であるのに支払額が高額になってしまいますが、片側賠償ではそうした事態を回避できます。

ただし、片側賠償は双方の合意がなければできません。相手が応じることが前提になるので注意してください。

 

以上が過失割合に応じた賠償額の計算方法になります。ご自身の事故における過失割合や計算について詳しく知りたい方は、弁護士にご相談ください。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。過失割合についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所