法定養育費とは いくら?いつから?

2026年4月1日より、「法定養育費」という制度が施行されました。従来と異なり、父母間の取り決めがなくとも請求できる点で画期的な制度です。

今回は、法定養育費についてご説明します。

参考記事:養育費とは?含まれるものや決め方

 

取り決めなくても発生する

法定養育費とは、離婚時に取り決めなくても、法律の定めによって発生する養育費です。

従来、養育費支払いを求めるには、夫婦間の合意あるいは裁判所での手続きが必要でした。しかし、実際には養育費について取り決めをしていないケースが多く、子や監護している親が離婚後に経済的に困窮する事態が多発してきました。たとえ話し合いや調停で金額が決まっても、結局支払いがなされない例も目立つのが実情です。

そこで、2024年の民法改正により、法定養育費の導入が決定されました。夫婦間での話し合いがなくとも請求でき、強制執行もしやすくなったため、子の最低限の生活費が確保できるようになることが期待されています。

 

金額:子1人あたり月2万円

法定養育費の金額は、子1人あたり月2万円とされています。月2万円という金額は、一般的な養育費の金額よりも低いです(参考記事:養育費の相場)。

また、法定養育費は、①父母間で養育費の定めをした日、②養育費の審判が確定した日、③子が成年(18歳)に達した日のうち、最も早い日まで支払われるものとされています。話し合いで決める際には、20歳あるいは大学卒業(22歳)までとされるケースが多いため、支払い期間の面でも十分とは言えません。

あくまで、父母間の取り決めがないときの最低限・つなぎのものという位置づけになります。法定養育費が導入されても、従来と同様、養育費について父母で話し合うのが重要です。

 

払われないときは?

法定養育費には「先取特権(さきどりとっけん)」が付与されています。これにより、公正証書の作成や調停による合意等がなくとも、強制執行が可能になります(参考記事:離婚後の養育費の調停は?)。支払われない場合には、直ちに預金や給与などを差し押さえ、強制的に徴収できるということです。

もっとも、経済的事情から支払いが困難な場合には、免除や猶予が認められる可能性があります。

 

2026年4月1日以降に離婚した場合に適用される

法定養育費制度が始まったのは、2026年4月1日です。この日以降に離婚した場合が対象となります。

したがって、2026年3月31日以前に離婚した夫婦には適用されません。従来どおり、話し合いや裁判所での手続きにより決定しない限り、養育費は請求できません。間違えやすい点ですので、ご注意ください。

 

以上が、法定養育費に関する基礎知識です。制度が始まったばかりであり、十分に浸透していないと考えられます。あくまで最低限のものである点、施行前に離婚した場合には適用されない点をおさえておきましょう。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費について疑問や悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。