婚姻費用調停の流れ・聞かれること

婚姻費用について話し合いがまとまらないときは、調停による解決が考えられます。今回は、婚姻費用調停について、流れや聞かれることなどをご説明します。

婚姻費用に関する基礎知識は、以下の記事をご覧ください。

参考記事:婚姻費用とは?含まれるものや養育費との違い

 

◆ 婚姻費用調停とは?

婚姻費用の金額は、まずは夫婦間の話し合いにより決めます。話し合いができない・まとまらないときに考えられる方法が、婚姻費用調停(婚姻費用の分担請求調停)です。

調停とは、裁判所における話し合いです。中立の立場にある調停委員を介して行われるため、夫婦間で直接やり取りする必要はありません。当事者だけの交渉よりも冷静に話し合いができるメリットがあります。

婚姻費用調停は、単独で申立てることも、離婚調停と同時に申立てることもできます。離婚調停と合わせて行うときは、先に婚姻費用について話し合われるのが一般的です。

参考記事:離婚調停の流れ~申立てから離婚成立まで

 

◆ 婚姻費用調停の流れ

申立書等の必要書類を提出して婚姻費用調停が申立てられると、第1回期日の日程が決められます。

期日では、当事者が交互に部屋に呼ばれ、それぞれ調停委員と話し合います。夫婦は直接対面せず、互いの主張は調停委員を介して相手に伝えられます。法廷ではなく会議室のような部屋で行われるため、過度に身構える必要はありません。要する時間は合計2時間程度です。

話し合いの中で双方が合意できる金額が決まれば、調停成立です。内容は調停調書にまとめられ、訴訟における判決と同様の効力を有します。

双方が合意できない限り、調停は成立しません。結論が出なければ、次回に持ち越しです。調停は、通常は1ヶ月~1ヶ月半に1回開催されます。

 

◆ 成立しなかったら審判に移行

調停を繰り返しても合意できないときは、調停は不成立です。自動的に審判手続きに移行します。

審判では、当事者の主張や根拠となる資料をもとに、裁判所が結論を言い渡します。訴訟における判決のようなイメージです。同意していない当事者にも強制力を有します。

実際には、裁判所が示す算定表に沿った結論になるケースが多いです。

参考記事:婚姻費用の相場

 

◆ 婚姻費用調停で聞かれること

婚姻費用調停で必ず聞かれるのは収入です。収入は婚姻費用を決める際に重要な要素になります。源泉徴収票や確定申告書といった、収入を証明する書類を用意しておきましょう。

子どもに関する事情も、婚姻費用の算定にあたり重要です。有無、人数、年齢、塾・私立学校の学費などが確認されます。

他には、生活状況、調停に至る経緯、婚姻費用の希望額などを聞かれます。事前に準備しておくとよいでしょう。

 

以上が婚姻費用調停に関する基礎知識です。調停は一応自力でも進められるものの、質問への回答や提出書類など、慣れていないと難しい面があります。弁護士への相談・依頼がオススメです。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。婚姻費用調停について不安や疑問がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。