婚姻費用とは?含まれるものや養育費との違い
離婚に向けた協議で問題になるポイントのひとつが婚姻費用です。「聞いたことはあるけど養育費との違いがわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、婚姻費用の意味や含まれるもの、養育費との違いをご説明します。
◆ 婚姻費用とは?
婚姻費用とは、夫婦が生活するために必要な費用です。略して「婚費(コンピ)」とも呼ばれます。
夫婦には互いに協力して生活を支える義務があります。生活費すなわち婚姻費用は、夫婦で分担しなければなりません(民法760条)。
同居して夫婦円満であれば特に問題は生じませんが、別居すると婚姻費用の問題が表面化します。たとえば、収入の少ないあるいは無収入の妻が家を出て別居しても、十分な生活を送れません。夫婦である以上、別居していても婚姻費用を分担する義務があるため、妻は収入の多い夫に対して婚姻費用を請求できます。
◆ 婚姻費用に含まれるもの
婚姻費用には、生活に必要な様々な費用が含まれます。夫婦だけでなく子の生活費も含みます。
婚姻費用に含まれる主なものは以下の通りです。
・住居費(家賃など)
・食費
・被服費(衣類にかかるお金)
・医療費
・子の養育費、教育費
・常識的に必要な交際費、娯楽費
もちろん生活に必要な金額は家庭によって千差万別です。収入・資産や社会的地位、子の有無や年齢などによって婚姻費用は変わってきます。
◆ 婚姻費用と養育費の違い
婚姻費用と同様に離婚に際して問題になるのが養育費です。両者は似ていますが、対象となる範囲や支払い時期が異なります。
婚姻費用は、別居している配偶者と子の生活費を合わせたものです。対して養育費は、子の養育にかかる費用です。婚姻費用には配偶者分が含まれるのに対して、養育費には含まれません。したがって、金額としては婚姻費用の方が高額です。
時期については、婚姻費用は婚姻中(離婚前)に発生するのに対して、養育費は離婚後に生じるという違いがあります。
まとめると、離婚前(別居中)は「配偶者+子」について婚姻費用が発生し、離婚後は子についてのみ養育費が発生します。
以上が婚姻費用に関する基礎知識です。婚姻費用については説明したい内容が他にもありますので、何回かに分けてご紹介します。
当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。婚姻費用についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。