交通事故の過失割合は誰が決める?どう決める?

交通事故の過失割合は、受け取れる賠償金額に大きな影響を与えます。今回は、過失割合は誰がどのように決めるかを解説します。

 

◆ 当事者同士で話し合う

ほとんどの事故において、過失割合は当事者同士の話し合いで決まります。実際には被害者・加害者本人ではなく、加入している任意保険会社や当事者が依頼した弁護士が代わりに交渉を行う場合もよくあります。双方が任意保険に加入している場合には、保険会社同士の話し合いで決まるケースも多いでしょう。

具体的な割合は、「別冊判例タイムズ38号(民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準全訂5版)」という書籍にしたがって話し合われるのが一般的です。この本には、過去の裁判例をもとにした、事故類型ごとの基本的な過失割合や修正要素などが記載されています。交渉の際には、事故状況の認識をすり合わせてどの類型にあたるかを判断し、個々の事情に応じて修正がなされます。

 

◆ 相手方保険会社に言われた通りに応じる必要はない

ご自身で交渉していると、相手方保険会社から一方的に過失割合を通告される場合があります。もっとも、応じる義務はありません。

保険会社は、契約者から聞いた話をもとに、支払額を抑えるためにできる限り有利な割合を主張します。したがって、言われた通りにすると本来よりも不利な割合になる可能性が高いです。上で紹介した書籍を参照する、証拠を示す、専門家に相談するなどして、納得のいく限りご自身の主張をした方がよいでしょう。

保険会社に一方的に過失割合を決める権限はありません。言われるがまま応じる必要はない点を頭に入れておいてください。

 

◆ 最終的には裁判官が決める

話し合いがまとまらないときは訴訟になり、最終的には裁判官が判決により過失割合を決めます。確定した判決には従わなければなりません。

裁判では、当事者の主張だけでなく、実況見分調書、ドライブレコーダーなどの証拠が重視されます。

 

◆ 警察が決めるわけではない

勘違いされている方も多いのですが、警察が過失割合を決めるわけではありません。「民事不介入」の原則があり、警察は私的な紛争には口を出せないことになっています。

たしかに事故の際に警察が作成する実況見分調書は重要な証拠になりますが、警察には過失割合を決める権限はありません。たとえ口頭で「あなたは悪くない」などと言われたとしても、法的に意味はないので気をつけてください。

 

以上が過失割合を決める人や決め方に関する基礎知識です。基本的には当事者同士の話し合いで決まります。ご自身での交渉に不安をお持ちの方は、弁護士にご相談ください。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。過失割合についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。