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2026.08.24更新

法定養育費とは いくら?いつから?

2026年4月1日より、「法定養育費」という制度が施行されました。従来と異なり、父母間の取り決めがなくとも請求できる点で画期的な制度です。

今回は、法定養育費についてご説明します。

参考記事:養育費とは?含まれるものや決め方

 

取り決めなくても発生する

法定養育費とは、離婚時に取り決めなくても、法律の定めによって発生する養育費です。

従来、養育費支払いを求めるには、夫婦間の合意あるいは裁判所での手続きが必要でした。しかし、実際には養育費について取り決めをしていないケースが多く、子や監護している親が離婚後に経済的に困窮する事態が多発してきました。たとえ話し合いや調停で金額が決まっても、結局支払いがなされない例も目立つのが実情です。

そこで、2024年の民法改正により、法定養育費の導入が決定されました。夫婦間での話し合いがなくとも請求でき、強制執行もしやすくなったため、子の最低限の生活費が確保できるようになることが期待されています。

 

金額:子1人あたり月2万円

法定養育費の金額は、子1人あたり月2万円とされています。月2万円という金額は、一般的な養育費の金額よりも低いです(参考記事:養育費の相場)。

また、法定養育費は、①父母間で養育費の定めをした日、②養育費の審判が確定した日、③子が成年(18歳)に達した日のうち、最も早い日まで支払われるものとされています。話し合いで決める際には、20歳あるいは大学卒業(22歳)までとされるケースが多いため、支払い期間の面でも十分とは言えません。

あくまで、父母間の取り決めがないときの最低限・つなぎのものという位置づけになります。法定養育費が導入されても、従来と同様、養育費について父母で話し合うのが重要です。

 

払われないときは?

法定養育費には「先取特権(さきどりとっけん)」が付与されています。これにより、公正証書の作成や調停による合意等がなくとも、強制執行が可能になります(参考記事:離婚後の養育費の調停は?)。支払われない場合には、直ちに預金や給与などを差し押さえ、強制的に徴収できるということです。

もっとも、経済的事情から支払いが困難な場合には、免除や猶予が認められる可能性があります。

 

2026年4月1日以降に離婚した場合に適用される

法定養育費制度が始まったのは、2026年4月1日です。この日以降に離婚した場合が対象となります。

したがって、2026年3月31日以前に離婚した夫婦には適用されません。従来どおり、話し合いや裁判所での手続きにより決定しない限り、養育費は請求できません。間違えやすい点ですので、ご注意ください。

 

以上が、法定養育費に関する基礎知識です。制度が始まったばかりであり、十分に浸透していないと考えられます。あくまで最低限のものである点、施行前に離婚した場合には適用されない点をおさえておきましょう。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費について疑問や悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所

2026.08.07更新

入通院慰謝料はどれくらい?

交通事故によるケガで入通院をしたときに受け取れるのが「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」です。金額は「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」のいずれで算定するかにより大きく異なります。

今回は、入通院慰謝料の金額について解説します。交通事故で受け取れる慰謝料の種類については、以下の記事をご覧ください。

参考記事:交通事故の慰謝料にも種類があります

 

自賠責保険基準

自賠責保険の支払い基準では、入通院慰謝料の金額は「4,300円×対象日数」です。

ここでいう「対象日数」は「治療期間」と「実入通院日数×2」のうち小さい方になります。

たとえば、通院期間が3ヶ月(90日)で実際に通院した日数が30日の場合、「実入通院日数×2(=60日)」の方が小さいです。したがって、自賠責保険基準による入通院慰謝料は、4,300円×60日=258,000円と計算されます。

自賠責保険は最低限の補償を行う保険であるため、以下で説明する「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」と比べて低額です。

 

任意保険基準

自賠責保険に上乗せとして加入するのが任意保険です。任意保険における支払い基準は、保険会社によって異なり、公開されていません。

一般的には、自賠責保険基準に多少上乗せをした金額になっている場合が多いです。次に説明する弁護士基準よりは低額になります。

 

弁護士基準(裁判基準)

弁護士に依頼した場合、裁判をすれば獲得できるであろう金額を、相手方に請求します。それが「弁護士基準(裁判基準)」と呼ばれるものです。

交通事故で参照されることが多い『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』(通称:赤い本)という書籍によると、入通院慰謝料は以下になります(一部抜粋)。

 

入院期間

0月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

通院期間

0月

 

53

101

145

184

217

244

1月

28

77

122

162

199

228

252

2月

52

98

139

177

210

236

260

3月

73

115

154

188

218

244

267

4月

90

130

165

196

226

251

273

5月

105

141

173

204

233

257

278

6月

116

149

181

211

239

262

282

7月

124

157

188

217

244

266

286

8月

132

164

194

222

248

270

290

9月

139

170

199

226

252

274

292

10月

145

175

203

230

256

276

294

11月

150

179

207

234

258

278

296

12月

154

183

211

236

260

280

298

 

たとえば、入院1ヶ月・通院5ヶ月のときは141万円、入院なし・通院6ヶ月のときは116万円となります。

弁護士基準は、自賠責保険基準や任意保険基準と比べて高額です。十分な補償を受けるには、弁護士に依頼して弁護士基準で請求するのが重要になります。

なお、上記は重傷のケースに用いられる表です。むち打ちなど軽傷のケースでは、金額が低くなります。むち打ちの場合の慰謝料額については、今後改めて解説します。

 

以上が、入通院慰謝料についての基礎知識です。相手方から提示される金額は、弁護士基準よりも低額なケースがほとんどです。言われるがまま示談せず、弁護士に相談するようにしましょう。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。慰謝料について疑問がある方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所